CDレコーダー

CDレコーダーとは

CDレコーダーは、CD-R/RWドライブを内蔵し、外部機器からのデジタル音声入力（AES/EBU端子、S/PDIF|S_PDIF端子）やアナログ音声入力（ADC経由）を受け付け、音声をCD-RやCD-RWに記録する音響機器です。記録フォーマットはCD-DAで、一般的なCDプレーヤーで再生可能です。CD-R/RWレコーダーとも呼ばれます。

概要

CDレコーダーの主な用途は、音楽CDのコピーやラジオ番組のエアチェックです。記録されたCDは、ファイナライズ処理によってTOC信号が書き込まれることで、一般的な音楽CDとの互換性を持ちます。カセットテープやMDと異なり、専用のデッキがなくてもCDプレーヤーで再生できる点が利点です。

ただし、CD-Rは音楽CDに比べて反射率が低いため、一部のCDプレーヤーでは再生できない場合があります。特に、ピックアップのレーザー出力が低下している古い機種や、読み取りがシビアな高級機でその傾向が見られます。また、CD-RWは反射率がさらに低いため、対応を謳っていない機種では再生が難しいです。

DVDプレーヤーやSACDプレーヤーでは、DVDやSACDとはレーザーの波長が異なるため、基本的に互換性はありませんが、CD-R普及後に発売された機種では波長切り替えに対応していることが多く、再生可能な場合があります。これらのことは、PCで作成したCD-R/RWにも当てはまります。

CDレコーダーの特徴として、コピーコントロールCD（CCCD）からの録音が可能である点が挙げられます。これは、PCでのリッピングとは異なり、通常の再生動作で録音が行われるためです。ただし、再生側のデッキに負担がかかる点は同じであり、自己責任となります。逆に、CCCDをCDレコーダーで再生する場合、PCのドライブと同じ動作をすることがあり、再生できないことがあります。

多くのCDレコーダーでは、音楽用CD-R以外のデータ用CD-Rを挿入するとエラーが表示されます。例えば、パイオニアの製品では、データ用CD-Rに録音しようとすると「商業用ディスクが入っている」というエラーが出ます。

音楽用CD-Rは、発売当初は需要が少なく、店頭では隅に置かれていたり、取り扱いのないこともありましたが、近年は大容量フラッシュメモリやクラウドストレージサービスの普及によりデータ用CD-Rの需要が減退し、音楽用CD-Rをデータ用として利用しても問題ないため、音楽用のみを取り扱う店舗が増えています。コンビニエンスストアなどでは、各店舗の裁量で取り扱いが決められています。

民生用CDレコーダー

民生用CDレコーダーは、SCMS（シリアルコピーマネジメントシステム）に準拠しており、録音には専用の音楽用メディアを使用します。データ用のCD-R/RWは使用できません。2倍速以上の高速録音に対応している機種には、HCMS（ハイコピーマネジメントシステム）が適用されます。製品は、フルサイズの据え置き型やミニコンポサイズ、他のコンポーネントとの一体型があります。

業務用CDレコーダー

業務用CDレコーダーは、音楽製作者向けに発売されており、SCMSやHCMSといったコピー制限が適用されず、データ用のCD-R/RWも使用可能です。音楽製作者向けではありますが、一般にも流通しています。

普及状況

民生用CDレコーダーは、発売当初はMDデッキのように普及が期待されましたが、そのようにはなりませんでした。PCでもCD-R/RWを作成できる点が大きな要因です。民生用CDレコーダーは、コピー制限があり、割高な音楽用ディスクを使用する必要があるため、利便性に欠けるという面がありました。

コピー制限により、PCでコピーしたCD-Rはコピー制限なしでコピーできるのに対し、民生用CDレコーダーで録音したCD-Rにはコピー制限がかかり、デジタルオーディオ機器への録音やカーナビへのリッピングが制限されます。そのため、孫ディスクを作成したりリッピングする際には、結局PCを利用することになります。また、記録速度もPC用ドライブに比べて遅く、不便でした。

CDレコーダーは、コンパクトカセットやMDの代替としてミニコンポにも搭載されましたが、CDの録音時間やタイマー録音の制限、エラーの多さなどから、他の録音機器に比べて不便な点が多くありました。カセットテープやMDには長時間録音機能があるのに対し、CDは録音時間が限られており、不便な点が多く見受けられました。

そのため、CD-R/RWへの音声記録はPCを用いることが一般的となりました。しかしCDレコーダーには、PCを使わずに手軽に使えるという利点があり、一定のシェアを保っています。特に業務用CDレコーダーは利便性が高く、プロだけでなく一般の利用者も多いです。レンタルビデオショップでは、CDレコーダーのレンタルサービスを提供しているところもあります。

近年では、レコードやカセットプレーヤーと一体型のコンポにCDレコーダーを搭載した製品が発売され、アナログ音源を保存できるとして人気を集めています。しかし、これらの機器でも録音できるディスクは音楽用CD-Rに限られていることが多いです。

主な機種

以下に主なメーカーと機種を挙げます。現行機種には★印が、1996年以前に開発・発売されたCD-R録音・再生専用機種には〈R〉印が付いています。

パイオニア（現：オンキヨーテクノロジー/ティアック）
RPD-1000〈R〉
RPD-500〈R〉
PDR-D7
PDR-D5
PDR-D50
PDR-N901
PDR-N902
PDR-WD7
PDR-WD70
X-MR7
X-RS9R
PDR-NS1
フィリップス
CDR880S
CDR560S
CDR765S
CDR570
CDR775
日本マランツ（現：マランツコンシューマーマーケティング）
CDR-1〈R〉
CDR610
CDR615
CDR620
CDR630
CDR640
DR700
DR-17
DR450
DR110
DR6000
DR6050
CDR631
CDR632
CDR500
CDR510
PSD300
PSD340
ティアック（業務用はタスカムブランド）
RW-D250
RW-D280
RW-02
RW-02USB
RW-H500
RW-H300
CD-RW5000
CD-RW33
CD-RW66
CD-RW700
CD-RW800
CD-RW750
CD-RW900
CD-RW901
CD-RW2000
CD-RW2000 V2
CD-RW2000 V3
CD-RW4U
CD-RW402
CD-RW402 V3
CC-222SL
CC-222SLMKII
CC-222MKIV
CD-RW900SL
CD-RW901SL
CD-RW900MKII
CD-RW901MKII
CD-RW900SX★
SS-CDR1
BB-1000CD
CD-RW880
CD-RW890
CD-RW890MKII
GF-350
GF-650
GF-450K7
LP-R400
LP-R500
LP-R550
LP-R450
LP-R480
LP-R550USB★
LP-R550USB-WA★
LP-R550USB-P/PB
LP-R560K★
LP-R520★
SS-CDR200
SS-CDR250N★
AD-RW900
AD-RW950
ヤマハ（現：ヤマハミュージックジャパン）
CDR1000
CDR-S1000
CDR-D651
CDR-HD1000
CDR-HD1300
CDR-HD1500
MCX-1000
ソニー（現：ソニーグループ）
CDR-W33
CDR-W66
RCD-W1
RCD-W50C
RCD-W500C
デノン（現：デノン コンシューマー マーケティング）
CDR-1000
CDR-W1500
CDR-M30
CDR-201SA
オンキヨー（現：オンキヨーテクノロジー/ティアック）
DX-R700
CDR-205
CDR-205TX
CDR-201A
CDR-SX7
松下電器産業（現：パナソニックホールディングス）
SL-PR300
日本ビクター（現：JVC[[ケンウッド]]）
XL-R2010
XL-R5000
XL-R5010
XL-R1
ケンウッド（現：JVC[[ケンウッド]]）
SH-7CDR
アイワ（現：ソニーマーケティング）
XR-MR5
CEC
RW2300
RW3300
エレコム
PLEO CONCEPT-1
オタリ
CDR-18
ローランド
CD-2
CD-2e
CD-2i
CD-2u
フォステクス
MR-8HD/CD
MR-16HD/CD
CR500
BOSE
CDR-1410

関連事項

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オーディオマニア
テープレコーダー
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コンパクトディスク
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