KCP

KCP（ケイ・シー・ピー）とは

KCPとは、KDDI Common Platformの略称で、KDDIと米国のクアルコムが共同で開発した携帯電話向けの共通プラットフォームです。正式名称はKCP1.xであり、主にKDDIおよび沖縄セルラー電話のauブランドの携帯電話に搭載されました。

開発の背景と目的

従来、携帯電話のソフトウェアは各メーカーが独自に開発しており、開発コストや時間が莫大にかかっていました。また、操作感も機種ごとに異なり、ユーザーにとって使いにくい面もありました。KCPは、これらの課題を解決するために開発され、共通のプラットフォームを提供することで、ソフトウェア開発の効率化、コスト削減、操作性の統一を目指しました。これにより、より高品質で使いやすい携帯電話を迅速に提供することが可能になりました。

技術的な特徴

KCPの大きな特徴の一つは、アプリケーション間の連携を強化した点です。これにより、異なるアプリケーション間でスムーズなデータ連携が可能になり、ユーザーエクスペリエンスが向上しました。アプリケーションプラットフォームには、クアルコムが開発したBREWと、REX OSが採用されました。これにより、多様なアプリケーションを安定して動作させることができました。

採用機種の変遷

KCPを最初に搭載した機種は、2005年6月30日に発売された東芝製の「W31T」です。その後、多くのau携帯電話に採用され、各メーカーの個性的な機種が登場しました。2014年7月時点では、さらに共通化を進めた「KCP+」（KCP2.x）が主流となり、その後継である「KCP3.x」も登場しました。ただし、これらのプラットフォームは、パンテック製の機種を除く多くのau機種に搭載されました。一方で、従来のKCPに対応した機種は、2010年度以降、SANYOブランドや京セラ製の一部機種、パンテックのPT002などに限られるようになりました。この結果、KCP対応機種は、高齢者・児童向け、法人向け、通話・メール中心の初心者・ライトユーザー向けに特化され、2015年春モデルの「GRATINA2 KYY10」を最後に、KCP搭載の音声端末は新規開発を終了しました。

主な採用端末

以下に、KCPを採用した主な端末を発売年ごとに示します。

2005年モデル

夏モデル: W31T、W32SA
冬モデル: W32T、W33SA

2006年モデル

春モデル: W41T（MUSIC-HDD）、W41SA、W41K、W43T
夏モデル: W42CA（G'zOne）、W42H、W44T、W33SA II、W42K
秋冬モデル: W43K、W43S、W43CA、W43H/H II、W41SH、W45T、W42SA、W43SA、W44S、W44K、W44T II（トヨタケータイ TiMO）、W46T（DRAPE）、W47T、A5523T
au design project: W42T（neon）
法人向けモデル: E02SA、E03CA

2007年モデル

春モデル: W51CA、W51H、W51S、W51T、W52T、W44T III（LEXUS）、W51K、W51SH（AQUOSケータイ）、W51P、W51SA、A5524SA（Sweets cute）、A5525SA（ジュニアケータイ）
夏モデル: W52SA、W52CA、W52H、W52S（ウォークマンケータイ）、W53T、W54T、W52P、W52SH、W44K II、W53SA、W53S、A5526K、A5528K
秋冬モデル: W55T、W53CA（EXILIMケータイ）、W53H（Woooケータイ）、W53K、A5529T
au design project: W52K（MEDIA SKIN）、W55SA（INFOBAR2）
法人向けモデル: W44K II Z（カメラなしモデル）

2008年モデル

春モデル: W61CA、W61H、W62SA、W62S、W61SH（AQUOSケータイ）、W61P、W61K、W61PT
夏モデル: W62K、W63K、W64K、W62PT（簡単ケータイ）、W63SH（URBANO）
秋冬モデル: W62P（島耕作ケータイを含む）、W65K、W64S
法人向けモデル: W62S Z（カメラなしモデル）、W63K Z（カメラなしモデル）

2009年モデル

春モデル: K001（KY001・安心ジュニアケータイ）
夏秋モデル: K002（KY002）、K003（KY003・簡単ケータイ）
冬モデル: S002(SO002)、ベルトのついたケータイ NS01（KYX01）、ケースのようなケータイ NS02（PTX01）
iida: misora（KYX02）、PRISMOID（KYX03）
法人向けモデル: E07K

2010年モデル

春モデル: K004（KY004・簡単ケータイ）、mamorino（KYY01）
夏秋モデル: [K005]]（KY005・簡単ケータイ）、[[K006]
iida: lotta（KYX04）
法人向けモデル: K006カメラなしモデル（KY006 Z）

2011年モデル

春モデル: K008（KY008・簡単ケータイ）、PT002、mamorino2（KYY02）
夏モデル: K010（KY010・簡単ケータイ）、Mi-Look（KYY03）
法人向けモデル: E10K

2012年モデル

夏モデル: K012（KY012・簡単ケータイ）

2013年モデル

春モデル: mamorino3（KYY05）
冬モデル: GRATINA KYY06

2015年モデル

春モデル: GRATINA2 KYY10

関連技術とプラットフォーム

KCPは、BREW Mobile Platform（Brew MP）をアプリケーションプラットフォームとして採用しています。これにより、多様なアプリケーションを開発・提供することが可能になりました。また、KCPの発展形であるKCP+やKCP3.xも、その後のau携帯電話の基盤技術として重要な役割を果たしました。

まとめ

KCPは、au携帯電話の発展に大きく貢献した共通プラットフォームであり、その開発はソフトウェア開発の効率化、コスト削減、操作性の統一という目標を達成しました。また、多様な機種に採用されたことで、ユーザーは様々な機能やデザインの携帯電話を楽しむことができました。KCPの登場は、日本の携帯電話業界に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

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