Geek sleep sheep

geek sleep sheep（ギーク・スリープ・シープ）

概要

geek sleep sheepは、2012年にL'Arc〜en〜Cielのドラマーであるyukihiroの呼びかけによって結成された日本の3人組ロックバンドです。メンバーは、yukihiro（ドラム）、MO'SOME TONEBENDERのボーカル・ギターである百々和宏、そして凛として時雨のボーカル・ベースである345の3人です。

彼らの音楽は、1990年代のシューゲイザー、グランジ、オルタナティヴ・ロックといったジャンルの影響を色濃く感じさせますが、特定のジャンルに固執することなく、メンバーそれぞれの個性を活かした独自のサウンドを追求しています。各メンバーがそれぞれのバンドでの活動と並行しながら、不定期で活動を続けており、これまでにアルバム2作品、EP盤1作品、シングル1作品をリリースしています。レコード会社は、ビクターエンタテインメント内のレーベルであるSPEEDSTAR RECORDSに所属しています。過去には、EMI Records Japan（ユニバーサルミュージック内レーベル）からも作品を発表していました。

結成の経緯

バンド結成のきっかけは、yukihiroがL'Arc〜en〜Cielでの活動とは別に、ドラマーとして参加できる新たなバンドを始めたいと考えたことでした。2012年 5月、L'Arc〜en〜Cielのライブツアー終了後、yukihiroは百々和宏と345を楽屋に呼び、「カバー曲を持ち寄ってスタジオでセッションしませんか？」と提案しました。

この提案を快諾した2人とyukihiroは、実際にスタジオに集まり、ザ・キュアー、ジョイ・ディヴィジョン、スマッシング・パンプキンズ、マンサンなどの楽曲をセッションしました。百々は後にインタビューで、「（ラルクのライブの楽屋で）“喜んで。セッションしましょう”みたいな話をして帰った記憶があります。でも、誘っていただいてるわけだから、何かしらの思惑があるんだろうなっていうのはわかるじゃないですか。だから、スタジオ入りましょう！とは言いながら、すでに緊張感出てましたけどね。“何だろう？試される感じなのかな”って（笑）」と当時の心境を語っています。

セッションを通じて、3人は90年代初頭のグランジサウンドに共通の関心を持っていることに気づき、スマッシング・パンプキンズのカバーは特に盛り上がったそうです。そして、セッションから約1〜2ヶ月後の2012年 8月16日、acid android主催のオールナイトイベント「acid android in an alcove vol.5」にシークレットゲストとして出演し、活動を本格的に開始しました。このライブでは、セッション後に制作された3曲のオリジナル楽曲と、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインのカバー曲「ホエン・ユー・スリープ」が披露されました。

ちなみに、百々和宏は2010年にyukihiroがacid androidの楽曲「swallowtail」を制作する際に、ギタリストとして参加していた過去があり、345もyukihiroが所属するマネジメントの系列事務所に所属していたため、以前から面識がありました。

バンド名の由来

バンド名の「geek sleep sheep」は、発起人であるyukihiroが命名しました。初ライブがオールナイトイベントであったこと、そしてメンバーの衣装がパジャマであったことから、夜を連想させる「sleep」と「sheep」という言葉がすぐに浮かんだそうです。そして、もう一つ何か加えたいと思ったときに、「geek」という言葉が選ばれました。

yukihiroは「響きの良さとか、eが並んだスペルの面白さを取った」と語っており、言葉の意味を強く意識したわけではないとしています。しかし、このバンド名には、多様な解釈を許容する音楽性や、さまざまな情景を想起させる響きがあることから、メンバーからも好評を得ています。

音楽性・楽曲制作

geek sleep sheepの音楽性は、1980年代のUKミュージック、1990年代のシューゲイザー、グランジ、オルタナティヴ・ロックなどの影響を受けつつも、メンバーそれぞれの個性を活かした独自のサウンドを追求しています。百々和宏は「スタイルだけじゃなくてやっぱり3人の人間性みたいなものがすごく出ているバンドだと思うので、ジャンルで言っちゃうとちょっと違和感がありますね」と語っています。

楽曲制作は、基本的に百々がソングライティングを担当していますが、アルバム収録曲の中にはyukihiroや345が作詞・作曲した楽曲も含まれています。ボーカルは、楽曲やパートによって百々または345が担当します。レコーディングは、3人でスタジオに入り、セッションを重ねながら曲を完成させるスタイルが基本となっています。

当初は特定のジャンルに傾倒した楽曲を制作するイメージもありましたが、「やれることは何でもやってみよう」という思いから、1stシングル「hitsuji」と1stアルバム『nightporter』の制作に取り組んだそうです。結果として、ハードな楽曲だけでなく、メランコリックな楽曲やドリーミングな雰囲気を持つ楽曲も制作されることになりました。2ndアルバム『candy』では、バンドの当初のコンセプトであったシューゲイザー、グランジ、オルタナというジャンルを意識しつつ、「この三人だからできるサウンドを作りたいね」という思いで制作されました。

yukihiroは、メンバーである345が、これらのジャンルの全盛期を直接体験していないことが、バンドの個性として良い方向に作用していると語っています。百々和宏は、geek sleep sheepの特徴について、「大事な部分みたいなものはもうわかったうえでこの3人で集まってる。それを言葉にすると「楽しむ」っていうことなのかもしれない」と述べており、345は「自分の中にある、自分では気づかなかったところを高めてくれる場所」と表現しています。

ライヴ

geek sleep sheepのライブは、基本的にメンバー3人が生で出す音のみで構成されています。シーケンサーなどの機材は極力使用せず、バンド本来のサウンドを大切にしています。yukihiroは、L'Arc〜en〜Cielではツーバス多点セットを使用していますが、geek sleep sheepではワンバスのシンプルなセットでドラムを演奏しています。

また、ライブでは海外アーティストの楽曲を頻繁にカバーしており、特に初期の頃は、セットリストの半分近くがカバー曲で構成されることもありました。2015年の対バンツアー「tour geeks 2015」では、各会場でテーマに沿ったカバーコーナーが設けられ、名古屋公演では＜POST ROCK＞、大阪公演では＜80's UK＞、東京公演では＜90's UK＞をテーマにしたカバーが披露されました。ライブのオープニングSEには、公演に合わせた楽曲が選ばれることが多いです。

メンバー

yukihiro (ドラム)
百々和宏 (ボーカル/ギター)
345 (ボーカル/ベース)

来歴

2012年 - 2014年：『nightporter』

2012年の初ライブ後、geek sleep sheepはライブイベントへの出演を重ね、2013年 3月26日に初の単独ライブ「confusion bedroom」を開催しました。同年7月には野外ロックフェスティバル「JOIN ALIVE 2013」に出演し、7月30日にはユニバーサルミュージック内のレーベルであるEMI Records Japanからメジャーデビューを発表しました。同年10月16日にはバンド初の作品となる1stシングル「hitsuji」をリリースし、12月11日には1stアルバム『nightporter』を発表しました。アルバム発売日には、オーガナイズDJイベント「moonlight parade」も開催されました。2014年 1月には、初のライブツアー「tour confusion bedroom」を東名阪で開催しました。

2014年 - 2016年：『candy』

2014年 1月以降は、各メンバーのバンド活動と並行しながら、音源制作を続けました。同年には自主企画ライブイベント「geeks」を2度開催し、5月にはKlan AileenとFREE THROW、7月にはハルカトミユキとナカコーをゲストに迎えました。2015年4月15日には、HMV Record ShopからEP盤『feedback』をリリース。同年5月20日には、2ndアルバム『candy』をビクターエンタテインメント内のレーベルSPEEDSTAR RECORDSから発表しました。同年5月29日からは、対バン形式のライブツアー「tour geeks 2015」を東名阪で開催し、各会場でヒトリエ、People In The Box、ストレイテナーと共演しました。2015年 8月22日には、アルバムタイトルを冠した単発ライブ「confusion bedroom vol.4 with candy」を初ライブの開催場所であるCLUB CITTA'にて行い、2016年 9月には約1年3ヶ月ぶりとなるライブツアー「tour confusion bedroom 2016」を開催しました。

2017年 - 現在

2017年 12月3日にライブイベント「DECEMBER'S CHILDREN」に出演し、約1年3ヶ月ぶりのライブを行いました。2018年 4月2日には、各種配信サイトにてサブスクリプションサービスを開始しましたが、以降は表立った活動が途絶えていました。しかし、2023年11月24日には、DJ&ライブイベント「slice of alcove」に登場し、久しぶりにライブを行いました。yukihiroは今後の活動について、「geek sleep sheepは続けていきたかったバンドではあるんですけど、ひと休みが必要になっちゃっただけなので、今後のことはまだ2人にちゃんと相談していないですけど、続けていきたいなと思ってます」と語っています。そして2024年 11月から、約8年2ヶ月ぶりのワンマンライブツアー「tour confusion bedroom 2024」を開催しました。

ディスコグラフィ

アルバム

nightporter (2013年)
candy (2015年)

EP

feedback (2015年)

シングル

hitsuji (2013年)

ライブ・コンサートツアー

tour confusion bedroom (2014年)
tour geeks 2015 (2015年)
tour confusion bedroom 2016 (2016年)
tour confusion bedroom 2024 (2024年)

出演ライブイベント

自主企画ライブイベント

geeks vol.1 (2014年)
geeks vol.2 (2014年)

オーガナイズDJイベント

moonlight parade (2013年)
moonlight parade "doorway to a dream" (2014年)

出演フェス・イベント

JOIN ALIVE 2013 (2013年)

ミュージック・ビデオ

ラジオ出演

インターネットラジオ

geek sleep sheepの真夜中にお腹が空いたら (2014年 9月16日 - 2015年 8月7日、全10回)

参考文献・サイト

『音楽と人』、株式会社音楽と人、2013年 11月号
『GiGS』、シンコーミュージック・エンタテイメント、2013年 11月号
『WHAT's IN?』、ソニー・マガジンズ、2013年 11月号
『GiGS』、シンコーミュージック・エンタテイメント、2014年 1月号
『SOUND DESIGNER』、サウンドデザイナー、2014年 1月号
『リズム&ドラム・マガジン』、リットーミュージック、2014年2月号
『WHAT's IN?』、ソニー・マガジンズ、2015年6月号
『【インタビュー】ラルクのyukihiro、時雨の345、モーサムの百々からなるgeek sleep sheep、結成前夜から現在までを語るロングインタビュー「ドラムがやりたかったんですよね」』 - BARKS
『geek sleep sheep、人気バンドの3人が新バンドを始めた理由』 - CINRA

脚注

注釈

出典

外部リンク

geek sleep sheep Official Web Site
geek sleep sheep - UNIVERSAL MUSIC JAPAN
geek sleep sheep - SPEEDSTAR RECORDS
geek sleep sheep (@geeksleepsheep) - X（旧Twitter）
geek sleep sheep (geeksleepsheep.official) - Facebook
geek sleep sheep - YouTube
geek sleep sheep - Spotify
geek sleep sheep - Apple Music
* geek sleep sheep - LINE MUSIC

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