Jam (自販機本)

伝説の自販機本『X-magazine Jam』

『X-magazine Jam』（通称『Jam』）は、1979年3月から1980年1月まで、エルシー企画内のジャム出版から刊行されていた伝説的なオルタナティブ系自販機本です。編集長は高杉弾が務め、今日では伝説の自販機本として知られています。

概要

表紙はエロ本の体裁を取りながらも、内容はドラッグ、パンク、臨済禅、オ[[カルト]]、神秘主義、前衛芸術、ビートニク文学、オルタナティヴ・コミック、カルトムービー、ゴミ漁り、嘘といった多岐にわたるテーマを扱った雑多なものでした。

末井昭の『ニューセルフ』や『写真時代』などと並び、サブカル系エロ本の草分け的存在として、そのゲリラ的な編集スタイルは当時の若者文化や雑誌文化に大きな影響を与えました。特に1980年代以降のエロメディアや1990年代以降のバッドテイストといった国内サブカルチャーに多大な影響を及ぼしたことで知られています。

本記事では、『Jam』の前身誌である『X-MAGAZINE』と後継誌『HEAVEN』についても解説します。

主要メンバー

編集部

高杉弾（たかすぎ だん）
伝説的自販機本『Jam』『HEAVEN』初代編集長。
東京都品川区出身。日本大学芸術学部文芸学科中退。
現在は「メディアマン」として国際的な隠居生活を送りながら、編集者、企画家、観光家、ステレオ写真家、臨済禅研究家、蓮の花愛好家として活動。
競馬、散歩、昼寝、駄ボラが趣味。
近藤十四郎（こんどう じゅうしろう）
『HEAVEN』2代目編集長。別名・オム。
VIPエンタープライズ初代社長。独立教養娯楽講座ペチゼミ主催。
岡山県出身。日本大学芸術学部文芸学科卒業。
映像制作、雑誌編集、印刷物制作、デザイナーとして活動。
バンド「荒野の水槽楽団」でミュージシャンとしても活動。
山崎春美（やまざき はるみ）
『HEAVEN』3代目編集長。
大阪府出身。オルタナティヴ・ロックバンド「ガセネタ」「TACO」リーダー。
日本大学芸術学部文芸学科中退。
隅田川乱一（すみだがわ らんいち）
文筆家、翻訳家、読書家。別名・X-BOY、本名・美沢真之助。
香川県高松市出身。日本大学芸術学部文芸学科中退。
『X-MAGAZINE』『Jam』『HEAVEN』のブレーンにして思想的中心人物。
オルタナティヴ・ロックバンド「TACO」を経て、フリーライターとして活動。
八木眞一郎（やぎ しんいちろう）
画家、フィルム・メーカー。別名・ハマリの八木。
福岡県出身。日本大学芸術学部文芸学科中退。
『冗談王』『X-MAGAZINE』『Jam』の編集に参加。
佐内順一郎（さない じゅんいちろう）
メディアマン。
東京都品川区出身。日本大学芸術学部文芸学科中退。
『Jam』『HEAVEN』編集発行人を経て、現在はフリーの作文家・高杉弾として活動。
岡克己（おか かつみ）
写真家。
岡山県倉敷市出身。
『Jam』のグラビアページを担当。
金田トメ（かねだ トメ）
翻訳家。本名・金田善裕。
明治大学文学部卒。
『HEAVEN』編集部を経てフリーライターとなる。
山本土壺（やまもと どつぼ）
『HEAVEN』編集者。本名・山本勝之。
オルタナティヴ・ロックバンド「TACO」元メンバー。
京都大学中退。
田中一策（たなか いっさく）
『HEAVEN』編集者。
東京大学中退。
野々村文宏（ののむら ふみひろ）
『HEAVEN』副編集長。
オルタナティヴ・ロックバンド「TACO」メンバー。
愛知県出身。和光大学芸術学科准[[教授]]。
香山リカ（かやま りか）
『HEAVEN』編集長代理。精神科医。
北海道札幌市出身。東京医科大学卒業。立教大学現代心理学部映像身体学科教授。
祖父江慎（そぶえ しん）
『HEAVEN』編集者。装幀家。
愛知県生まれ。多摩美術大学中退。
佐山哲郎（さやま てつろう）
浄土宗僧侶、漫画原作者、官能[[小説]]家、詩歌研究家、歌人、俳人。
東京都台東区根岸出身。東京都立大学人[[文学部]]中退。

連載作家・ライター

蛭子能収
渡辺和博
佐藤隆史
科伏
坂本ナポリ
鈴木いづみ
ロリータ順子

デザイナー

大賀匠津
羽良多平吉

『Jam』が与えた影響

『Jam』は、その破天荒な編集方針と独自性から、黎明期のサブカルチャー文化に大きな影響を与えました。

竹熊健太郎は『Quick Japan』や『危ない1号』などのアングラ系サブカルチャー雑誌の源流として『Jam』を挙げており、元『実話ナックルズ』編集長の久田将義も「サブカルの発生はエロ本から。特に高杉弾から始まったのではないか」と指摘しています。

関連雑誌

『X-MAGAZINE』
* 『HEAVEN』

もう一度検索