KPV 重機関銃

KPV重機関銃の詳細

概要

KPV重機関銃（КПВ）は、口径14.5mmのソビエト連邦製の大口径機関銃です。この銃は主に対物、対軽装甲車両、対空の用途で使用され、高い火力を誇る武器として知られています。その開発は1944年に始まり、1949年にはソ連軍に正式に採用されました。最初は歩兵用兵器としての利用が想定されていましたが、その重さから運用が難しく、1960年代には姿を消していきました。

デザインと機能

KPVは二輪および二脚を備えた低全高の銃架や三脚と組み合わせて運用され、戦術的な柔軟性を持っていました。また、対空兵器としては1連装から4連装までのさまざまな銃架が設計され、ZPU-1、ZPU-2、ZPU-4と名付けられました。特に、この機関銃は対空用としても非常に高い性能を発揮したため、1960年代に新しいZU-23-2が登場するまで、広く使用され続けました。今日では、東側諸国に輸出され、多くの軍で依然として現役で使用されています。

車載型および冷却システム

KPVの派生型にはKPVTという車載モデルがあり、これには電気式のトリガーが装備されています。このバージョンは、T-10M重戦車をはじめ、BTR-60、BTR-70、BTR-80のような装甲兵員輸送車、またBRDM-2装甲偵察車などに搭載されています。これにより、対軽装甲車両に対する効果的な武装としての地位が確立されました。また、KPVは空冷方式による銃身冷却システムを採用しており、銃身内部にはクロムメッキ処理が施されているため、耐久性が増しています。作動方式はガス圧補助式ショートリコイルであり、装弾ベルトは左右いずれからでも装填可能です。

使用弾薬

KPV重機関銃では、14.5x114mmの弾薬を使用します。主な弾薬には以下のものがあります：

• - B-32：焼夷徹甲弾で、炭化タングステンを弾芯に使用。弾頭重量は64.4g、銃口初速は976m/sで、500m先の32mm鋼鉄装甲を貫通できます。
• - BZT：焼夷徹甲曳光弾で、弾頭重量59.56g、銃口初速1,005m/s。2,000m以上の発光距離を誇ります。
• - MDZ：焼夷榴弾で、弾頭重量59.68g。

これらの弾薬はブルガリア、中国、エジプト、ポーランド、ルーマニアでも生産され、広く流通しています。

関連項目

KPV重機関銃に関連する他の武器には、DShK38重機関銃、NSV重機関銃、Kord重機関銃、ブローニングM2重機関銃、FN BRG-15、ZPU-4などがあります。KPVはその性能により、歴史的にも今なお重機関銃の中で重要な位置を占めています。

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