MTU 1163

MTU 1163型ディーゼルエンジン

MTU 1163型ディーゼルエンジンは、ドイツのMTUフリードリヒスハーフェン社によって開発された高性能な舶用エンジンシリーズです。1983年の市場投入以来、さまざまな改良が重ねられ、最新の技術を駆使したバージョンまで進化しています。このエンジンは特に艦船に多く搭載されるため、その性能と信頼性が重視されています。

テクニカル仕様

MTU 1163型には、さまざまなバージョンが存在し、V型12、V型16、V型20気筒という異なる気筒数の選択肢があります。全てのバージョンはV字型のシリンダー配置を採用し、二段式シーケンシャルターボシステムを搭載しています。このターボシステムは、V型12気筒版で3組、V型16気筒版で4組、V型20気筒版で5組のターボチャージャーが備わっており、優れた出力を実現しています。

排ガス規制の対応

最新型の1163-04型は、国際海事機関（IMO）の厳しい排ガス規制に対応するように特別に改良されています。このモデルには、改良された二段過給システム、コモンレール式噴射システム、ADEC電子エンジン管理システム、また新しい燃焼過程が導入されています。これにより、環境への配慮と同時に高いパフォーマンスを両立させています。V型16・20気筒型の運用は2013年、V型12気筒版は2014年に始まる予定です。

搭載艦船

MTU 1163型は、様々な海軍艦船に搭載されています。具体的には、以下のような艦艇がこのエンジンを使用しています：

• - ドイツ海軍 では、MEKO型フリゲートやザクセン級フリゲート、ブラウンシュヴァイク級コルベットなど。
• - トルコ海軍 では、ヤウズ級、バルバロス級、サーリヒレイス級フリゲートに搭載。
• - ポルトガル海軍 のヴァスコ・ダ・ガマ級フリゲート。
• - オーストラリアおよびニュージーランド海軍 が使用するアンザック級フリゲート。
• - コロンビア海軍 のアルミランテ・パディーヤ級フリゲート。
• - マレーシア海軍 のカスツーリ級フリゲート。
• - イスラエル海軍 のサール5型コルベット。
• - アメリカ沿岸警備隊 のバーソルフ級カッター。
• - 日本の海上保安庁 によるひだ型巡視船。
• - タイ海軍 の空母「チャクリ・ナルエベト」や、ナレースワン級・プーミポン・アドゥンヤデート級フリゲートも含まれます。

その他、中国人民解放軍海軍 の051B型・052B型駆逐艦や、大韓民国海軍 の大邱級フリゲートなど、広範囲にわたって多くの国々の艦船に搭載されています。

まとめ

MTU 1163型ディーゼルエンジンは、現代の艦船の運用に欠かせない重要なエンジンです。高い出力と環境性能を両立し、多様な用途に応じたバージョンが存在するため、各国の海軍に強い支持を得ています。これからもさらなる進化が期待されるシリーズです。

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