PRIMERGY 6000

PRIMERGY 6000

PRIMERGY 6000（プライマジー6000）は、富士通が企業向けに提供していたオフィスコンピューター、いわゆるオフコンのシリーズ名です。

概要と特徴

本シリーズは2000年5月に発表され、2018年3月末をもって販売を終了しました。富士通のオフコン製品ラインでは、FACOM KシリーズやGRANPOWER 6000の後継機にあたります。先行機種との高い上位互換性により、既存の業務資産をオープンシステムへ移行（レガシーマイグレーション）するよりも容易に継承できる点が大きな特長でした。

技術面では、インテル製PentiumシリーズをCPUに採用し、低コスト化を図っています。OSには独自のASPが動作し、主要開発言語はSQLに対応した富士通独自のCOBOL互換言語「COBOL G」です。Javaプログラムとの連携も可能でした。

PRIMERGY 6000は、独自のRDBMS「Symfoware6000」をOSに統合しており、データベース機能も持ち合わせていました。Symfoware Serverとの共通点もありましたが、富士通独自のJEF文字コード採用などにより、他の汎用RDBMSとの完全な親和性は限定的でした。

オープンシステムとの連携機能も強化され、Java実行環境、Webコンピューティング機能、電子帳票自動メール配信など、様々なソリューションを提供しました。また、一般的なオープンシステムと比較して、コンピュータウイルスの感染リスクが低いとされていました。

ユーザーインターフェースとしては、システム管理用にFMGシリーズ、利用者向けにはFMGシリーズ端末、Windows上の端末エミュレータ、WebブラウザベースのWebjetなどが利用可能でした。

販売終了とその後の展開

2018年3月末の販売終了後、富士通はデータセンター上でオフコンOS環境を提供するクラウドサービス「Cloud Service for オフコン」（2014年4月提供開始）への移行を案内しています。2023年3月には、シリーズ最終モデルのメーカー保守が終了しました。2024年4月からは、クラウドサービスの提供元が株式会社エフサステクノロジーズに移管されています。

運用上の課題

MOデータ移行: 以前のモデルまで標準搭載されていたMOドライブの廃止やメーカーサポート終了により、MOに保存されたデータの参照・移行には困難が伴います。
IBM形式フロッピーデータ移行: かつてのFACOM Kシリーズで使用されたIBM形式のフロッピーディスクは、PRIMERGY 6000で直接読み取れませんが、PC上で変換ソフトウェアを使用することで読み取り可能になります。

2005年の一斉フリーズ障害

2005年9月5日には、OS「ASP」の特定のバージョンを搭載したPRIMERGY 6000（およびGRANPOWER 6000）が、毎日午後3時に一斉にフリーズするという重大なシステム障害が発生しました。これは基幹業務システムに深刻な影響を及ぼし、当時のオフコンが持つとされた「高い堅牢性・信頼性」という評価を揺るがす出来事となりました。修正パッチ適用に専門エンジニアが必要だったため、緊急時の迅速な対応が難しく、復旧に時間を要したユーザーが多く存在しました。

関連情報

FACOM, GRANPOWER: 先行・同系列機種。
PFU: 前身であるユーザック電子工業が、FACOM Kシリーズの実質的な開発を担いました。
* 内田洋行: 「USAC NetGLOBE9000III」ブランドで販売しました。

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