Rosegarden

Rosegardenは、Linux上で動作する自由ソフトウェアのデジタルオーディオワークステーション（DAW）です。ALSAとKDEを利用して開発されており、オーディオ、MIDIシーケンサー、楽譜作成、作曲、編集ツールとして総合的な機能を提供します。特に、Cubaseの編集機能の代替となることを目指して設計されています。

基本機能と特徴

Rosegardenは、それ自体にソフトウェアシンセサイザーを内蔵していません。そのため、MIDIデータを音として出力するためには、外部のハードウェアMIDIシンセサイザー、FluidSynthやTiMidity++などのソフトウェアシンセサイザー、またはシンセサイザープラグインが必要です。最近のバージョンでは、DSSIソフトウェアシンセサイザープラグインインターフェースをサポートしており、アダプターを介してWindows VSTプラグインも使用できます。

主な機能として、以下のものが挙げられます。

オーディオとMIDIの録音・再生: ALSAとJACKを介したMIDIとオーディオの録音と再生をサポートします。
多彩な編集機能: ピアノロール、楽譜、イベントリスト、トラックオーバービューエディタなど、さまざまな編集ツールが用意されています。
プラグインサポート: DSSIシンセサイザー、オーディオエフェクトプラグイン、DSSI-VST経由でのWindows VSTエフェクトとインストゥルメントの利用が可能です。また、LADSPAオーディオエフェクトプラグインもサポートします。
同期機能: JACKの転送機能により、他のソフトウェアとの同期が可能です。
スタンドアロン動作: MIDI編集機能のみを使用する場合は、JACKなしでビルドし、動作させることができます。
楽譜印刷: MIDI演奏データから楽譜を印刷する機能があります。
MIDIの移植性: 共有可能なデバイスファイル形式により、MIDIデータの移植が容易です。
パターンシーケンス: パターンシーケンシングと装飾音の演奏をトリガーするセグメント機能を搭載。
ミキサー機能: オーディオミキサーとMIDIミキサーを備えています。
ファイル入出力: MIDIファイル、Hydrogenファイルのインポート、MIDI、Csound、LilyPond、MusicXMLファイルのエクスポートをサポートします（生成された楽譜のPostScriptおよびPDF出力も可能）。
多言語対応: ユーザーインターフェースは、日本語を含む多くの言語に翻訳されています。
ヘルプドキュメント: 英語、ドイツ語、スウェーデン語、日本語など、多くの言語でヘルプドキュメントが利用可能です。

歴史

Rosegardenには、過去にRosegarden2.1（X11 Rosegarden）と呼ばれるプログラムが存在しました。現在のRosegardenは、当初Rosegarden-4として開発され、それ以前のバージョンと区別されています。Rosegarden2.1は、さまざまなUnix系OSやOpenVMS上で安定動作していましたが、機能は限定的でした。一方、Rosegarden-4はLinux ALSAシステムをベースとしており、非Linux環境では動作が制限されます。

Rosegardenプロジェクトは1993年にバース大学で始まり、Rosegarden 2.1（X11 Rosegarden）は1997年にGPLライセンスでリリースされました。Rosegarden-4の開発は2000年4月に開始され、バージョン1.0は2005年2月14日に、バージョン1.2.4は2006年7月14日にリリースされています。

関連情報

Rosegardenに興味を持たれた方は、以下の情報も参考にしてください。

関連項目:
GNU LilyPond
MusE
Hydrogen (ソフトウェア)
Ardour
NoteEdit
外部リンク:
Rosegarden 公式ホームページ
Rosegardenのダウンロードページ (Sourceforge.net)
Rosegarden user/dev フォーラム
* Rosegarden Development Wiki

Rosegardenは、Linux環境で本格的な音楽制作を行うための強力なツールです。多機能で柔軟なカスタマイズ性を持つため、初心者からプロのミュージシャンまで幅広い層に利用されています。

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