Say Anything

「Say Anything」

「Say Anything」（セイ・エニシング）は、日本のロックバンドX（現・X JAPAN）が1991年12月1日にリリースしたシングルであり、彼らの8作目にあたります。この曲はその後の音楽シーンにおいても特別な地位を占めており、特にテレビ朝日系のドラマ『ララバイ刑事'91』のエンディングテーマとして起用されたことから、幅広いファンから親しまれることとなりました。

この楽曲は、バンドのアルバム『Jealousy』からのリカットとしてリリースされ、X名義での最後のシングルでありながら、最大のヒット作ともなりました。『Jealousy』のレコーディングは、YOSHIKIの体調不良によってスケジュールが遅れたものの、CBS・ソニーの株式上場の影響により、当初の時期よりも早くリリースされる運びとなりました。そのため、収録予定だった楽曲のいくつかは見送られることに。しかし、その中でYOSHIKIが特に力を入れて作成していたのが「Say Anything」であり、これは彼の熱意を感じさせる作品でした。

YOSHIKIは曲の制作過程で一度はこの楽曲を没にしようと考えましたが、周囲の励ましを受けて完成へと導きました。この背景には、YOSHIKI自身が「打倒『ENDLESS RAIN』を目指して書いた」という意図があるものの、完成品に対しては満足できず「失敗作」と振り返ることもあったとのことです。それでも、後にYOSHIKIはこの曲が世に出ることについて「本当に良かった」と語っています。

「Say Anything」は高音の連続で構成されており、特に後半は難易度が高く、レコーディングの際にはボーカルを担当するToshlが吐血するほどの苦労を強いられました。このように、音楽的な挑戦が詰まった楽曲であることが伺えます。ジャケットはYOSHIKIが裸で水に打たれた衝撃的なビジュアルが印象的で、撮影中に風邪を引いた彼は、翌日の横浜アリーナでの公演中に倒れ、公演の延期に至ったエピソードもあります。

シングルとしては59万枚以上を売り上げ、X名義のシングルでは最も高いセールスを記録しました。この曲はライブでは主にS.E（サウンドエフェクト）として使用されることが多く、1995年の東京ドームライブ以降のバンド形式での演奏はありませんでしたが、2008年のX JAPAN再結成ライブ「攻撃再開 2008 I.V.〜破滅に向かって〜」でToshl、PATA、HEATHによるアコースティックバージョンが披露され、ファンの間で大きな感動を呼びました。

その後、SUGIZOが加入した「WORLD TOUR Live in TAIPEI」では、彼のバイオリンも加わることで新しい解釈が広がりました。また、YOSHIKIは2001年12月1日に生まれた敬宮愛子内親王への生誕曲として、「Say Anything」のオーケストラ・バージョンを贈ったことも特筆に値します。

さらに、globeがリミックスアルバム『global trance 2』でこの曲をカバーするなど、楽曲の普遍的な魅力が今なお評価されています。

収録曲

• - Say Anything
• - Silent Jealousy (Live Version)

パーソネル

• - 共同プロデューサー：津田直士
• - ミキシング・エンジニア：リッチ・ブリーン

収録アルバム

• - Jealousy（スタジオアルバム、#10）
• - X SINGLES（ベストアルバム、#11）
• - B.O.X 〜Best of X〜（ベストアルバム、#10）
• - BALLAD COLLECTION（ベストアルバム、#6）
• - STAR BOX（ベストアルバム、#12）
• - X JAPAN BEST 〜FAN'S SELECTION〜（ベストアルバム、Disc2-#2）

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