SoftBank 4G LTE

SoftBank 4G LTEとは

SoftBank 4G LTEは、ソフトバンクが提供するFDD-LTE方式のLTEを用いた携帯電話向け通信サービスのブランド名です。2012年9月21日にサービスが開始されました。

サービス開始と概要

2012年9月14日、LTEに対応したiPhone 5の予約開始に合わせて発表されました。これは、KDDI・沖縄セルラー電話連合が展開するauのLTEサービス「au 4G LTE」と同日の発表・サービス開始であり、両社間の競争が注目されました。

当初、SoftBank 4G LTEはテザリングに対応していませんでしたが、auに対抗する形で2012年9月19日にテザリング対応を発表、同年12月15日にサービスを開始しました。このテザリング開始前倒しには、ソフトバンクによるイー・アクセス（現ワイモバイル）の買収が影響しています。イー・アクセスが保有する1.7GHz帯のLTE回線を利用することで、ネットワークの余裕が生まれたためです。iPhone 5は1.7GHz帯にも対応していましたが、ネットワーク調整に時間を要し、実際に利用可能になったのは2013年春頃からでした。

進化と高速化

2013年3月21日には、ソフトバンクモバイルのLTE回線に加え、イー・アクセスのLTE回線も利用可能になる「ダブルLTE」が開始されました。さらに、2013年9月20日には、「ダブルLTE」を高速化した「倍速ダブルLTE」が登場し、それぞれ75Mbpsの超高速通信が可能になりました。

2013年9月発売のiPhone 5sとiPhone 5cは、900MHz帯に対応しました。ソフトバンクもこの帯域でのLTEサービス開始を予定していましたが、この帯域は既存の無線サービスが使用していたため、巻き取り作業が必要でした。2014年7月、沖縄県の一部で900MHz帯のLTEサービスを開始し、順次エリアを拡大しました。正式サービス開始時には「トリプルLTE」（仮称）としてサービス展開される予定でした。

その他のサービスと技術

音声通話では、ソフトバンク宛の通話が24時間無料になる「24時間通話定額オプション」が2013年1月15日から提供されています。また、2013年12月以降発売のAndroidスマートフォンでは、SoftBank 4G（AXGP方式）とSoftBank 4G LTEの両方に対応した「Hybrid 4G LTE」が登場しました。

2014年8月発売のAQUOS CRYSTAL 305SHと12月発売予定のAQUOS CRYSTAL Xは、LTEでの音声通話VoLTEにアップデートで対応。AQUOS CRYSTAL Xの発売に合わせてVoLTEサービスが開始されました。さらに、2015年以降には、複数の帯域を束ねることで広帯域化するキャリア・アグリゲーション（CA）にも対応し、下り最大187.5Mbpsの高速通信が可能となりました。iPhone 6とiPhone 6 PlusがこのCAに対応しました。

2016年以降発売のAndroidフィーチャーフォン（ガラホ）は、SoftBank 4G LTEに対応していますが、SoftBank 4Gには非対応のため、Hybrid 4G LTEとはなっていません。Y!mobileブランドも同様です。

対応端末

2012-2013年冬春モデルとして発表されたAndroidスマートフォン6機種は、すべてSoftBank 4G（AXGP (TD-LTE) ）に対応しており、LTE (FDD-LTE)には対応していませんでした。

SoftBank 4G及びSoftBank 4G LTEのプランは同一であり、対応ネットワーク以外のサービスは共通です。

関連事項

Hybrid 4G LTE: SoftBank 4GとSoftBank 4G LTEとのデュアルモードによるサービス
SoftBank 4G: AXGP方式によるLTE互換サービス。ただし、端末によっては、ダブルLTE同様、Y!mobileのLTEネットワークの利用も可能。
Xi (クロッシィ): NTTドコモのLTEサービス
EMOBILE LTE: ワイモバイル（旧イー・モバイル）のLTEサービス
au 4G LTE: KDDI・沖縄セルラー電話（au）のLTEサービス
SoftBank 3G
* ダブルLTE: 当サービスに加えて、ワイモバイルのLTE網で利用可能となるサービス

SoftBank 4G LTEは、ソフトバンクの通信サービスの中核として、多様な技術革新とサービス拡充を重ねてきました。その進化は、日本の携帯電話通信技術の発展を象徴するものです。

もう一度検索