SoftBank 921SH

SoftBank 921SHは、シャープが開発し、ソフトバンクモバイルから発売されたW-CDMA方式の携帯電話端末です。2008年3月14日に発売され、「FULLFACE2」という愛称で親しまれました。この機種は、前モデルであるFULLFACE 913SHの後継として登場し、多くの革新的な機能を搭載していました。

主な機能とサービス

921SHは、当時の携帯電話としては多機能で、以下のようなサービスを提供していました。

ミュージックプレイヤー：AACおよびWindows Media Audio形式の音楽ファイルを再生可能でした。
Windows Media Video対応：動画ファイルの再生もサポートしていました。
Bluetooth：ワイヤレスでのデータ通信やオーディオ機器との接続が可能でした。
赤外線通信（IrDA)：高速赤外線通信（IrSS/IrSimple）に対応しており、他の対応デバイスとのデータ交換が可能でした。
デルモジ表示（アニメビュー）：アニメーション表示に対応し、より豊かな表現が可能でした。
フィーリングメール：感情を伝える表現豊かなメール作成ができました。
カスタムスクリーン：ユーザーが自由に画面をカスタマイズできました。
バイリンガル：多言語に対応し、グローバルな利用ができました。
QRコード読み取り・作成：QRコードの読み取りと生成が可能でした。
ドキュメントビューア：Microsoft Word（.doc）、Microsoft Excel（.xls）、Microsoft PowerPoint（.ppt）、PDFデータ（.pdf）などのドキュメントファイルを閲覧できました。
PCメール：パソコンメールの送受信が可能でした。

特徴

921SHの最大の特徴は、その操作性にありました。3.2インチのNewモバイルASV液晶を搭載し、タッチパッドのような操作感を持つ「タッチレガートセンサー」と、本体を振ったり傾けたりすることで直感的な操作を可能にする「モーションコントロールセンサー」を搭載していました。

タッチレガートセンサー：パネルをなぞることでカーソルの移動や、タップでソフトキーや決定の操作ができました。これにより、文字入力を伴わない多くの操作が可能となりました。
モーションコントロールセンサー：本体を振ることで機能の起動、回転させることで画面の縦横切り替えができました。

これらのセンサーにより、直感的な操作が可能になった一方で、意図しない動作が発生する場合もありました。基本仕様は920SHとほぼ同じでしたが、国際ローミングには非対応で、インカメラを搭載している点が異なりました。メインメニューには3DのGUIが搭載され、iPhone 3Gのような操作感を提供していました。

また、923SH以降の機種では終話キーと発話キーが一般的な配置になったため、921SHはソフトキーの下に終話と発話キーがある、9シリーズ最後の独自キー配置機種となりました（922SHはQWERTYキーのため例外）。

不具合

2008年7月29日には、新着S!メールの受信操作をしないと、新着メールが表示されない不具合が報告されました。

関連情報

ソフトバンクモバイルの端末一覧
インターネットマシン 922SH：同時期に発売されたシャープ製のハイエンドモデルです。
FULLFACE 913SH：921SHの前モデルにあたる初代FULLFACEです。
SoftBank 931SH（AQUOSケータイ FULLTOUCH)：後継となるフルスライド型モデルです。
SoftBank 941SH（AQUOSケータイ FULLTOUCH)
* 他キャリアのフルスライド型機種：FOMA P905iTV、au WIN W61SA、FOMA SH706i/SH706iw、au WIN W64SH（AQUOSケータイ）など、他キャリアでも類似のフルスライド型機種が発売されていました。

SoftBank 921SHは、革新的な操作性と多機能性を備えた、当時のハイエンドモデルとして記憶されるべき機種です。

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