『THE BEST / again 南沙織』
『THE BEST / again
南沙織』は、日本のアイドル歌手、
南沙織が
1981年11月1日にCBSソニーよりリリースしたベストアルバムです。前作のベストセレクションから約一年半の期間を経て発表されました。
このアルバムは、
南沙織のベストアルバムシリーズ「THE BEST」の一環として位置づけられますが、数ある同シリーズ作品の中で、『Again』という副題が添えられているのは本作のみという際立った特徴を持っています。
LP
レコードのジャケットに用いられた写真は、その後1985年4月1日に発売されたCDベスト盤『
南沙織ベスト・コレクション』のジャケットにも再び使用されました。しかし、興味深いことに、『
南沙織ベスト・コレクション』では写真が左右反転、いわゆる「裏焼き」の状態になっています。
音源の現況についてですが、この『THE BEST / again
南沙織』というアルバム単体としては、現在までにCDでの復刻は行われていません。しかしながら、本作に収録されている全ての楽曲は、既に他の形態でCD化されており、現在でも入手可能です。
例えば、ソニーミュージックが運営するオンラインストアなどで現在も販売されている6枚組CD-BOXセット『
Cynthia Memories』には、本作に収められた楽曲が漏れなく収録されています。ただし、「
哀愁のページ」については、このボックスセットには別バージョンが収められている点が特記されます。
アルバムには、
南沙織のキャリアを彩るシングル曲を中心に、以下の全13曲が収められています。
収録曲
Side A
人恋しくて
作詞:
中里綴、作曲: 田山雅充、編曲:
水谷公生
1975年末の『
第26回NHK紅白歌合戦』にて歌唱されました。
17才
作詞:
有馬三恵子、作曲・編曲:
筒美京平
南沙織のデビュー曲にして代表曲。1971年末の『
第22回NHK紅白歌合戦』歌唱曲です。
潮風のメロディ
作詞:
有馬三恵子、作曲・編曲:
筒美京平
「17才」に続くセカンドシングル。
純潔
作詞:
有馬三恵子、作曲・編曲:
筒美京平
1972年末の『
第23回NHK紅白歌合戦』でも披露されました。
早春の港
作詞:
有馬三恵子、作曲・編曲:
筒美京平
早春の情景を描いた楽曲です。
夜霧の街
作詞:
有馬三恵子、作曲・編曲:
筒美京平
都会的な雰囲気を持つ楽曲です。
哀愁のページ
作詞:
有馬三恵子、作曲・編曲:
筒美京平
本作にはオリジナルバージョンが収録されています。
Side B
色づく街
作詞:
有馬三恵子、作曲・編曲:
筒美京平
1973年末の『
第24回NHK紅白歌合戦』歌唱曲です。
ひとかけらの純情
作詞:
有馬三恵子、作曲・編曲:
筒美京平
少女の繊細な心情を歌った楽曲。
街角のラブソング
作詞・作曲: つのだひろ、編曲:
萩田光雄
つのだひろが作詞作曲を手がけました。1977年末の『
第28回NHK紅白歌合戦』で歌唱されました。
春の予感‐I've been mellow‐
作詞・作曲・編曲:
尾崎亜美
尾崎亜美が提供したヒット曲。
南沙織の引退前の代表曲としても知られます。
哀しい妖精
作詞:
松本隆、作曲:
ジャニス・イアン、編曲:
萩田光雄
ジャニス・イアンが作曲。1976年末の『
第27回NHK紅白歌合戦』歌唱曲です。
Ms. (ミズ)
作詞:
有馬三恵子、作曲・編曲:
筒美京平
大人びた雰囲気を持つ楽曲です。
グッバイガール
作詞・作曲: David Gates、訳詞:
中里綴、編曲:
川村栄二
デヴィッド・ゲイツの楽曲に
中里綴が日本語詞をつけました。
このように、『THE BEST / again
南沙織』は、
1981年当時の
南沙織の活動を総括するベスト盤であり、シリーズ中唯一のタイトルを持つ記念碑的な作品と言えます。単体でのCD化はされていないものの、その収録楽曲は他の企画盤を通じて現在もファンに届けられています。