UIMカードとは
UIMカード(User Identity Module Card)またはU
SIMカード(Universal Subscriber Identity Module Card)は、GSM
携帯電話から派生した第3世代移動通信システムにおいて使用される
ICカードです。このカードは、主に
W-CDMA(UMTS)方式の通信に対応しています。一般的に「
SIMカード」と呼ばれることもありますが、UIMカードはUIM専用の機能を持つ特別な形式と位置付けられています。
UIMカードの役割
UIMカードは、
電話番号や個人のログイン情報を含む非常に重要なデータを保存しています。これにより、ユーザーはカードを他の
携帯電話に移し替えることで、異なる端末でもそのまま同じ
電話番号を利用できるのです。たとえば、旅行先で別の
携帯電話を使用する時には、UIMカードを適切な端末に挿入することで国際ローミングを行うことが可能となります。この方式は「プラスチックローミング」とも呼ばれていますが、一部の端末ではUIMカードと端末の認証が必要なため、すべての機種で利用できる訳ではありません。
認証と製造元
日本国内におけるUIMカードの主な製造元には、
大日本印刷とジェムアルト日本法人があります。特に
NTTドコモの場合、両方の製造元からの製品が存在しますが、
ソフトバンクモバイルのプリペイドU
SIMカードのように、他のOEMメーカーの製品も使用されることがあります。
具体的なカードの例
NTTドコモのFOMAカードやドコモUIMカードは、LTEサービスであるXiや4Gサービスに対応しています。FOMAカードは、契約店舗に在庫がある限り、FOMA契約の際に発行されます。さらに、
ソフトバンクグループにおける
SoftBank 3G U
SIMカードや旧イー・アクセスのEM chipなども、
W-CDMA方式の通信に対応した例として挙げられます。
KDDIは、VoLTEに対応した専用の
ICカードを提供しています。これらのUIMカードは、特定の端末向けに設計され、例えばVoLTE専用の端末以外で使用されるものはR-UIMカードとして分類されます。
MVNO事業者とUIMカード
MVNO(Mobile Virtual Network Operator)事業者は独自のUIMカードを発行することがあり、その一例がディズニーモバイルのU
SIMカードです。また、事業者によってはMNO(Mobile Network Operator)と同じ仕様のUIMカードを採用している場合もあります。たとえば、
2010年9月以前のWILLCOM CORE 3GのFOMAカードがその代表的な例です。
R-UIMカードの特性
R-UIMカード(Removable User Identity Module Card)は、CDMA 1X WIN(au)で使われる特定のタイプのカードです。このカードは、CDMA2000方式とGSM方式の両方に対応しているため、UIMカードとは区別されます。また、国際規格ではC
SIMカードという名称でCDMA仕様の
SIMカードとして認識されています。実際のところ、
W-CDMAとCDMA2000の互換性はありますが、技術的には異なる仕様に基づいています。
結論
UIMカードは、
携帯電話の基本的な機能を支える非常に重要な要素です。現在の通信技術において、これらのカードがどのように活用され、どのような役割を果たしているかを理解することは、
携帯電話の利用をより便利にするために必要です。