W・S・ヴァン・ダイク

W・S・ヴァン・ダイク: アメリカ映画の職人監督

W・S・ヴァン・ダイク（W. S. Van Dyke, 1889年3月21日 - 1943年2月5日）は、アメリカ合衆国の映画監督として広く知られています。彼は「ウッディ（Woody）」という愛称でも親しまれ、数多くのジャンルで多彩な作品を手掛けました。

人物・来歴

ヴァン・ダイクは、映画界に入る前にはD・W・グリフィス監督の下で助監督を経験しました。特に『国民の創生』（1915）や『イントレランス』（1916）では彼の技術が磨かれています。1917年に監督としてデビューを果たし、1926年からはメトロ・ゴールドウィン・メイヤー（MGM）専属の監督として活躍しました。

彼のスタイルは極めて早撮りが特徴で、このため「ワン・テイク・ウッディ」として知られるようになりました。また、彼はルイス・B・メイヤーによって厚遇され、職人監督としての地位を確立しました。オスカーには2度ノミネートされ、彼の作品からは4人のオスカー候補俳優が誕生しています。

しかし、1943年、彼は病に苦しみ、自ら命を絶つという悲劇的な結末を迎えました。彼はクリスチャン・サイエンスの信者でもあったと伝えられています。

主な監督作品

ヴァン・ダイクの代表的な作品には様々なジャンルの映画があります。以下はその一部です：

• - 荒原の勝利者 (1927) - ティム・マッコイ、ジョーン・クロフォード主演
• - 南海の白影 (1928)
• - トレイダ・ホーン (1931)
• - 南の誘惑 (1931) - レスリー・ハワード、コンチータ・モンテネグロ主演
• - 類猿人ターザン (1932)
• - エスキモー (1933)
• - 男の世界 (1934) - クラーク・ゲーブル、ウィリアム・パウエル、マーナ・ロイ主演
• - 影なき男 (1934) - ウィリアム・パウエル、マーナ・ロイ主演。アカデミー監督賞にノミネート
• - 結婚十分前 (1934) - ジョーン・クロフォード、クラーク・ゲーブル主演
• - 砂漠の新月 (1934) - ラモン・ノヴァロ、ルーペ・ヴェレス主演
• - 浮かれ姫君 (1935) - ジャネット・マクドナルド、ネルソン・エディ主演
• - 私の行状記 (1935) - ジョーン・クロフォード主演
• - ローズ・マリイ (1936) - ジャネット・マクドナルド、ネルソン・エディ主演
• - 桑港 (1936) - クラーク・ゲーブル、ジャネット・マクドナルド主演。アカデミー監督賞にノミネート
• - 愛怨二重奏 (1936) - バーバラ・スタンウィック、ロバート・テイラー主演
• - 空駆ける恋 (1936) - ジョーン・クロフォード、クラーク・ゲーブル主演
• - 夕陽特急 (1936) - ※『影なき男』シリーズ
• - 座り込み結婚 (1937) - ジーン・ハーロウ、ロバート・テイラー主演
• - マリー・アントアネットの生涯 (1938) - ノーマ・シアラー、タイロン・パワー主演
• - 第三の影 (1939) - ※『影なき男』シリーズ
• - 天国の怒り (1941) - ロバート・モンゴメリー、イングリッド・バーグマン主演
• - 影なき男の影 (1941) - ※『影なき男』シリーズ
• - マーガレットの旅 (1942) - ロバート・ヤング、ラレイン・デイ、マーガレット・オブライエン主演

これらの映画は彼の多才さを示しており、特にコメディやドラマにおいてその技術が際立っています。特に『影なき男』シリーズは、彼が作り出した独特のキャラクターとストーリーテリングが称賛され、多くのファンに支持されています。

ヴァン・ダイクの影響は今でも映画界に存在し、彼の作品は今日でも多くの人々によって鑑賞されています。

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