たこ満

たこ満 (Takoman Co., Ltd.)

株式会社たこ満は、静岡県菊川市に本社を置く製菓業者です。旧社名は株式会社多古満でしたが、現在では直営店のロゴなどで「たこまん」と表記されることが一般的です。

概要

たこ満は、郷土菓子、和菓子、洋菓子の開発、製造、販売を手掛けています。静岡県西部を中心に直営店「たこまん」を展開しており、商品は基本的にこれらの店舗でのみ購入可能です。ただし、例外として東海旅客鉄道掛川駅構内の「これっしか処」や静岡空港の売店などで、一部商品がお土産用として販売されています。また、直営店では毎月「たこのはっちゃんデー」と呼ばれるセールが開催されています。

過去には、菓子メーカーの株式会社ロリエ常盤家が経営破綻した際、救済に乗り出し、株式会社ロリエたこまんを設立して店舗をリニューアルオープンさせたこともあります。

特徴

経営理念

「ひとりのお客様の満足とひとりの社員の幸せ」を経営理念として掲げています。経営陣は従業員向けの「デイリーニュース」をほぼ毎日発行し、経営理念の共有を図っています。デイリーニュースには、経営陣のメッセージだけでなく、従業員からの改善提案やレスポンスも掲載され、双方向のコミュニケーションを重視しています。

地元へのこだわり

「身土不二」の思想に基づき、原材料は地元である静岡県西部（遠江国・遠州）産のものを極力使用しています。「清らかな遠州からのおくりもの」をキャッチフレーズとし、商品のネーミングも遠江の伝説や名勝にちなんだものが多いのが特徴です。包装紙には遠江の野花をあしらうなど、地元に根ざした企業姿勢が窺えます。

地域からの信頼

静岡県西部を代表する製菓業の一つとして知られており、経営学者の坂本光司が行った「静岡県西部地域顧客満足度調査」では、「あなたが他人に紹介できる自慢の店」として1位を獲得しています。県外への出店を望む声もありますが、「たこまん」は遠州をテーマにした菓子屋であるため、遠州のみに限定する姿勢を明確にしています。

店舗デザイン

直営店「たこまん」は、店舗ごとに異なる意匠を凝らした造りとなっています。例えば、掛川市にある「掛川本館」は城下町風の街並みに合わせた和風建築、袋井市にあった「浅羽本店」は南国風のガーデンが併設されたデザインでした。

地域貢献

インターンシップにも積極的に応じており、掛川市、菊川市、浜松市など地元の教育機関からの学生を受け入れています。

来歴

1953年、静岡県小笠郡大坂村（現・掛川市）にて創業。従業員の給与水準や労働条件を改善するため法人化し、小笠郡浜岡町（現・御前崎市）に出店を果たしました。しかし、規模拡大が離職者の増加を招いたため、経営方針を転換。「顧客満足と従業員満足」を両立させる経営理念を掲げ、静岡県西部に直営店を展開してきました。本拠地と生産拠点は菊川市に移転し、「小笠本社」と「小笠工場」が設置されています。創業の地である掛川市大坂の店舗は「大東総本店」として、現在も登記上の本店となっています。

名称の由来

初代社長が東京都に修行に出た際、奉公先で初めて食べた酢蛸のおいしさに感動し、この酢蛸以上の満足を顧客に伝えたいと考え「たこまん」と命名しました。当初の社名は漢字で「多古満」でしたが、のちに一部平仮名混じりの「たこ満」に改名。社章は、蛸を象った図形の中に筆文字で「多古満」と表記されています。店舗のロゴは平仮名で「たこまん」と表記されることが多いです。

主な製品

あんじぇんぬ
城下餅
遠州バウム
掛川栗モンブラン みのり
栗みそ饅頭
福豆大福
大砂丘
たこまん
茶の葉フリアン
のんべえ饅頭
初甘藷
夢いちご

店舗

静岡県西部を中心に17店舗を展開しています（2012年現在）。

関連情報

遠州茶家（菊川市）
森林公園アトリエ（掛川市）
マリアツェル（浜松市中区）
琉球ドルチェテラス（沖縄県豊見城市）

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