キン肉真弓

キン肉真弓（キンにくまゆみ）は、ゆでたまごの漫画『キン肉マン』およびその続編『キン肉マンII世』に登場する重要なキャラクターです。作中では主に「キン肉大王」と呼ばれ、主人公キン肉マン（キン肉スグル）の父親であり、キン肉星の第57代大王を務めています。人間を遥かに超える能力を持つ「超人」の一人であり、その活躍は物語に深みを与えています。

人物像

キン肉真弓は、キン肉星の大王として、またキン肉スグルの父親としての二つの顔を持っています。額には「王」の文字があり、特徴的なモミアゲと濃い体毛が印象的です。普段はショートタイツとブーツ、マントを羽織った姿でいることが多いですが、胸に「MAYUMI」と描かれたシャツを着ている場面も見られます。性格は息子スグルと同様にユーモラスで、お茶目な一面を見せます。しかし、かつては生まれたばかりのスグルを何度も絞めかけたり、長男アタルにスパルタ教育を施したりするなど、危険な一面も持っていました。アタルが家出する原因を作ってしまいます。

しかし、正義超人としての強い意志も持ち合わせており、地球の平和を守るためにはミートの力が必要だと実父のミンチに諭すなど、地球の平和を願う一面もあります。作中ではキン肉マンのセコンドやトレーナーを務めることが多く、超人史の伝説などを語る場面も少なくありません。また、試合から逃げ出すキン肉マンをミートと共に連れ戻すこともあります。恐妻家であり、妻のキン肉小百合には頭が上がらず、よく突っ込みを入れられています。

超人レスラーとしての過去も持ち、超人オリンピックで2度の優勝経験があります。ライバルであり親友でもあるハラボテ・マッスルとは、事あるごとにエキシビションマッチを行っていますが、技やファイトスタイルが古いため、若い観客からは不評を買うことが多いです。

アニメ版では、真弓役の岸野一彦による大阪弁混じりのアドリブが採用され、真弓の代表的なセリフとなっています。名前の由来はプロ野球選手の真弓明信であり、アニメでは野球観戦を応援する場面も描かれています。

『キン肉マン』での活躍

超人レスラー時代

超人レスラーとして活躍していた真弓は、超人オリンピック第9回、第10回大会で連覇を果たしました。第11回大会では決勝戦でハラボテ・マッスルに敗れています。キン肉族の中では筋肉がつきにくい体質で、フェイスフラッシュを使うことができません。そのため、アイアンクローなどの正統派な技を多用していました。

大王時代

大王の座に着いた真弓は、長男アタルを後継者にしようとスパルタ教育を施しますが、アタルは耐えかねて家出してしまいます。その後、次男のスグル（キン肉マン）を甘やかして育てます。ある日、スグルを地球へ投げ捨ててしまいます。

その後、ブタがキング・トーンと名乗り、キン肉星を支配しますが、最終的にキング・トーンがキン肉星から逃亡したため、そのどさくさに紛れて大王に復帰します。その後、養子シゲルを迎え、ミートにスグルを地球へ送還させますが、その後も地球にたびたび顔を出すようになります。

息子との交流

超人オリンピック編では、キン肉マンを日本代表として出場させるために奔走し、ロビンマスクの協力を得て出場を果たします。予選では説明や審査員を務め、度々キン肉マンに肩入れするため、委員長に怒鳴られることもありました。決勝直前には、委員長とのエキシビションマッチを行いますが、地味な内容のため観客に不評でした。

超人オリンピック ザ・ビッグファイト編では、キン肉マンに「キン肉泳法」を伝授し、決勝戦前にはウォーズマンに扮してスパーリングパートナーを務めました。さらに、キン肉族に代々伝わる「肉のカーテン」を教えました。

黄金のマスク編では、他の正義超人たちと同様に悪魔六騎士にパワーを奪われましたが、後に復活します。プラネットマン戦では人質になりますが、プラネットマンの死によってパワーを吸収し復活しました。その後、黄金のマスクと銀のマスクの由来をキン肉マンたちに伝えました。

夢の超人タッグ編では、試合放棄を勧告されたキン肉マンに対し、2000万パワーズの心情を理解し、救うように諭しました。

王位継承

キン肉星王位争奪編では、キン肉マンに王位を継がせる決意をしますが、邪悪の神々が「運命の5王子」を推薦したため、「キン肉星王位争奪サバイバル・マッチ」が行われます。真弓たちは中立の立場として拘束され、キン肉マンたちの戦いを見守りました。決勝戦では、ミートを使って偽の王子の正体を暴こうとしますが、失敗に終わります。最後は拘束から脱出し、キン肉マンの王位継承を見届けました。

完璧超人始祖編

キン肉マンとネメシスの対戦中、ハラボテ委員長と共に現れ、ネメシスの正体が叔父であるキン肉サダハルであることを明かしました。幼い頃にサダハルから慈悲と寛容の心を教わった過去を語り、肉のカーテンに隠された真実を語りました。

オメガ・ケンタウリの六鎗客編

キン肉星で叙勲式を行っていた最中に、サタンの張った結界に閉じ込められますが、最終的には結界は解除されました。

『キン肉マンII世』での活躍

『キン肉マンII世』では、キン肉万太郎の祖父として登場します。妻の小百合はすでに亡くなっており、100歳を超えて老齢となっていますが、火事場のクソ力は健在です。究極の超人タッグ編では、万太郎の成長を促す役割を果たしました。また、ジャクリーンや凛子に対してセクハラをする場面もありました。時間超人に対抗する技として、キン肉王族三大奥義を伝承しました。

得意技

アイアン・クロー：フリッツ・フォン・エリック直伝の技で、指の力で相手の顔を締め付けます。
キン肉フラッシュ：両腕を交差して放つ光線技です。
肉のカーテン：キン肉一族に伝わる防御法で、キン肉マンに伝授する際の模範として使用しました。

プロフィール

種別：正義超人
出身：キン肉星
身長/体重：217cm/154kg（初期）/193cm/115kg
年齢：『II世』初登場時100歳
超人強度：65万パワー
家族：父キン肉タツノリ、妻キン肉小百合、息子キン肉アタル、キン肉スグル、孫キン肉万太郎
個人タイトル歴：
第9回超人オリンピック優勝
第10回超人オリンピック優勝
第11回超人オリンピック準優勝
格闘技宇宙一チャンピオン
主な肩書き：第57代キン肉星大王
異名：阪神の真弓（自称）、角刈りの星一徹（自称）、二枚刈りの星一徹（自称）
* 声優：岸野一彦、山口奈々（少年時代）、塩屋浩三、神谷明

キン肉真弓は、そのお茶目な性格と、時に見せる厳しさ、そして正義超人としての強い信念を通じて、物語を彩る重要なキャラクターとして描かれています。

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