スガバラ

スガバラ：ゲゲーン・カアンの妃、激動の生涯

スガバラ（モンゴル語: Sügebala）は、モンゴル帝国の第9代皇帝、ゲゲーン・カアン（英宗シデバラ）の妃として知られています。『元史』などの漢文史料では速哥八剌（sùgēbālà）皇后と記されています。

名門イキレス部出身の女性

スガバラはイキレス部という、チンギス・カンに仕えた功臣を輩出した名門の出身です。彼女の父アシクは、オルジェイトゥ・カアン（成宗テムル）の娘である昌国公主イリク・カヤと結婚しており、スガバラは皇族の血も引いていました。イキレス部は、代々チンギス・カン家と姻戚関係を結び、モンゴル帝国において重要な地位を占めていた一族でした。

皇后としての短い期間

シデバラがゲゲーン・カアンとして即位した翌年の至治元年（1321年）12月、スガバラは皇后に冊立されます。しかし、彼女の皇后としての期間は長くはありませんでした。シデバラは、テムデルの一党を弾圧する過程で多くの不満分子を生み、その結果、至治3年（1323年）に南坡の変と呼ばれるクーデターによって暗殺されてしまいます。夫の死によって、スガバラも皇后の地位を失うこととなりました。

その後と死

シデバラの死後、イェスン・[[テムル]]が皇帝として即位します。泰定4年（1327年）6月、スガバラは亡くなり、荘静懿聖皇后と諡されました。激動の時代を生きた彼女の生涯は、短いながらも波乱に満ちたものでした。

テクシとの関係

興味深いことに、ゲゲーン・カアンを暗殺したテクシには「妹が君主（英宗ゲゲーン・カアン）の妃となった」という記録が残っています。この記録から、テクシとスガバラが兄弟ではないかとする説も存在します。もしこの説が正しければ、スガバラは夫を暗殺した人物の妹だったということになり、彼女の置かれた複雑な立場を物語っています。

スガバラは、モンゴル帝国の激動期を生きた女性であり、権力闘争と王朝の盛衰の中で翻弄されながらも、皇后という地位に上り詰めた人物として、歴史に名を残しています。

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