ソフトロック

ソフトロック(Soft Rock)とは


ソフトロックは、1960年代中盤から1970年代前半にかけて人気を博した音楽ジャンルで、心地よいメロディとコーラスが特徴のポップスやポップ・ロックを指します。特に米国西海岸のバンドが代表的で、日本国内でも楽しまれていますが、日本における「ソフトロック」は、海外での認知とは異なる側面があります。本稿では、日本におけるソフトロックの概要と歴史、特徴を詳しく見ていきます。

概要


ソフトロックは、ビートルズの新しい音楽スタイルの影響を受けて進化し、洗練されたポップミュージックとして1950年代後半や1960年代前半のアメリカン・ポップスから派生したものです。この音楽スタイルは、ゲイリー・アッシャーやキース・オルセンといったプロデューサーによって主導された作品が多く、代表的なアーティストには「アソシエイション」や「ハーパース・ビザール」の名が挙げられます。彼らは高度なコーラスや複雑なコード進行を取り入れ、サイケデリックな要素を加えた楽曲を提供しました。

また、ソフトロックの楽曲には、オーケストラ楽器の多用やドリーミーなメロディが特徴的で、ドゥーワップの影響を受けたスキャットが見られることもあります。特に米国西海岸のグループが多く活動しており、カリフォルニアを中心に展開されたスタイルとして認識されていますされているだけでなく、イギリス発のアーティストの中にも、ソフトロックとして分類される楽曲が存在します。

歴史


日本におけるソフトロックは、古き良きアメリカン・ポップスに根付いています。これには1950年代から1960年代初頭のブリル・ビルディング・サウンドやティン・パン・アレー系の音楽が影響を与えています。特に、アソシエイションの「アロング・カムズ・メアリー」がこのジャンルのヒット曲とされ、1966年にはUSチャートで7位を記録しました。その後、1967年にはソフトロックの人気がピークに達し、多くのグループが登場しましたが、商業的にはあまり成功しないまま、1970年代初頭には徐々に衰退していきました。

日本でのソフトロックの認知は1980年代になってから進みました。青山の「パイド・パイパー・ハウス」や吉祥寺の「芽瑠璃堂」のような輸入レコード店がソフトロックの再評価を促し、山下達郎などのミュージシャンがこのジャンルに影響を与えました。特に、ミニコミ誌「POP-sicle」や音楽誌『レコード・コレクターズ』などがこの音楽スタイルを取り上げ、興味を引きました。

1996年に「ソフト・ロックA to Z」という書籍が出版され、従来の音楽ジャンルとして定義されるに至ります。こうして日本におけるソフトロックは、具体的な言葉としても定着していきました。

日本国外のソフトロック


日本でのソフトロックは、英米ではまったく異なる音楽として認識されています。1980年代以降、ポップスが軽視されがちな中で、このジャンルはあまり注目されていなかったためです。しかし1990年代後半から、CDの需要が高まる中で逆輸入的にソフトロックが再評価されていきました。今では「サンシャイン・ポップ」として新たな呼び名でも知られるようになりました。

海外のアーティストとしては、フリートウッド・マックやエルトン・ジョンジェームス・テイラー、ホール&オーツなどがソフトロックのジャンルに含まれ、多様なスタイルを持つバンドやシンガー・ソングライターが存在します。これにより、今日ではそれぞれの国や地域での音楽表現がより明確に区別されています。要するに、日本のソフトロックは独自の進化を遂げたスタイルであり、他国の音楽とは異なる魅力を放っています。

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