ハイトップ

ハイトップは、イギリスで生まれ育ったサラブレッド競走馬であり、後に優れた種牡馬としても名を馳せました。生産者は元アマチュア障害騎手のボブ・マクレーリー氏で、その後、ジュールズ・ソーン卿に高額で取引されました。

競走馬としてのキャリアは華麗なものでした。デビュー戦を勝利で飾ると、続くワシントンシンガーステークスで2着と好成績を残します。その後も勝利を重ね、オブザーヴァーゴールドカップでは、のちにアイリッシュダービーを制するスティールパルスを破り、G1競走初制覇を達成しました。

3歳となった翌年には、クラシック競走である2000ギニーに挑みます。嵐の中のレースとなりましたが、その悪天候を味方につけ、ロベルトの猛追を振り切り、見事優勝。クラシック競走制覇という栄冠を手にしました。ダービーステークスには出走せず、マイル路線に進むことを選択しましたが、その後はアイリッシュ2000ギニーで7着に敗れるなど、思うような結果を残せませんでした。フランス遠征も振るわず、ムーラン・ド・ロンシャン賞を最後に競走馬としてのキャリアに幕を閉じました。

競走馬引退後は、ウッドランスタッドで種牡馬として活躍しました。多くの優秀な産駒を輩出し、種牡馬としても成功を収めます。特徴的なのは、自身はマイルまでの距離しか走っていなかったにも関わらず、産駒には長距離を得意とする馬が多かった点です。さらに、ブルードメアサイアー（母方の父）としても類まれな才能を発揮し、イギリス・アイルランドでリーディングブルードメアサイアーに輝いた年には、その卓越した能力を証明しました。ハイトップの血を受け継いだ馬たちは、現代においても活躍を続けています。

代表的な産駒には、ジョッケクルブ賞やリュパン賞を制したトップヴィル、セントレジャーステークスを制したカットアヴァーヴ、アイリッシュオークスを制したカラースピンなどがいます。また、ブルードメアサイアーとしての産駒には、イタリア大賞やオイロパ賞などの重賞競走を制したイブンベイ、アイリッシュ1000ギニーやチャンピオンステークスを制したインザグルーヴ、そしてコロネーションカップやエクリプスステークスを制したオペラハウス、さらにゴールドカップを2度制したカイフタラなどがいます。特にオペラハウスとカイフタラは、前述のカラースピンの仔というつながりもあります。

1988年には後ろ脚に血栓症を発症し、一度は回復の兆しを見せましたが、再発したため、獣医の助言により安楽死の処置が取られました。

ハイトップの血統には、ドイツの名馬アカテナンゴも含まれています。その血脈は、数々の名馬を生み出し、現代競馬に大きな影響を与え続けています。ハイトップの物語は、競走馬としての輝かしい成功と、種牡馬、そしてブルードメアサイアーとしての偉大な功績、そしてその血を受け継ぐ数々の名馬たちの活躍を通して、競馬史に永遠に刻まれることでしょう。彼の血統は、現在も世界中の競馬場でその輝きを放ち続けています。

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