ハートランドフェリー

ハートランドフェリー株式会社

ハートランドフェリー株式会社は、北海道と離島を結ぶフェリー航路を運航する海運会社です。以前はサハリンへの国際航路も運航していましたが、現在は利尻島、礼文島への航路を中心に事業を展開しています。

歴史

ハートランドフェリーのルーツは、昭和初期に稚内港と利尻・礼文島間の定期航路を開設したことに始まります。その後、丸一水産の経営に携わっていた蔦井與三吉が参画し、稚内利礼運輸へと改組。1972年には東日本海フェリーへと社名を変更し、奥尻島-江差港航路を譲り受け、日本海側の離島輸送に特化しました。

1999年にはサハリンへの国際定期航路を開始しますが、2003年に東日本フェリーが破綻すると、蔦井グループとの資本関係を解消し、独立運営へと移行。2008年には現在のハートランドフェリーに社名変更しました。この社名変更は、就航地の豊かな自然と「もてなしの心」を表現し、奥尻、利尻、礼文の離島を「ハートランド」と位置づけることで、地域への誇りと観光客への魅力を発信したいという願いが込められています。また、社章には北海道、ホスピタリティ、ハートフルの意味が込められ、濃藍色は日本海、茜色は朝焼けと夕焼けを象徴しています。船体デザインは社章をパターン化し、島や人の絆と未来への航跡を表現しています。

2024年10月1日にはグループ経営体制に移行し、持株会社「ハートランドホールディングス」が設立されました。これにより、ハートランドフェリーは稚内市に本社を移転し利尻・礼文航路を、新子会社「オクシリアイランドフェリー」が奥尻航路をそれぞれ担当することとなりました。

沿革

1925年（大正14年）：丸一組合が鴛泊村に創業。
1934年（昭和9年）：丸一水産株式会社として設立。
1937年（昭和12年）：利尻漁業株式会社へ水産業を譲渡。稚内利礼運輸株式会社に社名変更。
1943年（昭和18年）：蔦井商船株式会社と合併。
1946年（昭和21年）：国鉄との連絡運輸を開始。
1969年（昭和44年）：内航海運業の許可を取得。
1970年（昭和45年）：初のカーフェリー「第一宗谷丸」就航。
1972年（昭和47年）：道南海運より江差-奥尻航路を譲受、東日本海フェリー株式会社に社名変更。
1973年（昭和48年）：乗合旅客自動車運送業などを奥尻町に譲渡。
1977年（昭和52年）：奥尻-瀬棚航路就航。
1980年（昭和55年）：札幌本社を設置。
1986年（昭和61年）：本社を札幌に完全移転。
1999年（平成11年）：稚内-コルサコフ航路に参入。
2007年（平成19年）：内航貨物船部門から撤退、JR北海道との連絡運輸廃止。
2008年（平成20年）：ハートランドフェリー株式会社に社名変更。
2015年（平成27年）：サハリン航路から撤退。
2024年（令和6年）：グループ経営体制へ移行。

航路

就航中の航路

利尻・礼文航路：
稚内港 - 鴛泊港（利尻島）
稚内港 - 香深港（礼文島）
鴛泊港 - 香深港
沓形港（利尻島） - 香深港（季節限定）
オクシリアイランドフェリー（グループ子会社）：
江差港 - 奥尻港（奥尻島）

過去の航路

稚内港 - コルサコフ（2015年廃止）
瀬棚港 - 奥尻港（2019年から運休）

船舶

運航中の船舶

利尻・礼文航路
ボレアース宗谷：2002年竣工。ギリシア神話の北風の神が由来。
サイプリア宗谷：2008年竣工。礼文島に生息するランの学名が由来。フィンスタビライザーとエレベーターを装備。
アマポーラ宗谷：2020年就航。利尻島に自生するヒナゲシのスペイン語が由来。
奥尻航路
カランセ奥尻：2017年就航。奥尻島に自生するエビネの学名が由来。

過去に就航していた船舶

第二太洋丸、第二東洋丸、第三東洋丸（利礼丸）、利尻丸、礼文丸、第三利礼丸、第二利礼丸
第一宗谷丸：初のカーフェリー
第二宗谷丸：現在はフィリピンで運航
奥尻丸
第二大函丸
第五宗谷丸：現在はフィリピンで運航
第一ひやま
第七宗谷丸
第八宗谷丸（第二ひやま）
第十宗谷丸：現在はフィリピンで運航
第十一宗谷丸
第五ひやま（アインス宗谷2）
ニュー宗谷
クイーン宗谷
プリンス宗谷
リバティベル
ニューひやま
アインス宗谷：サハリン航路で使用
アヴローラおくしり
フィルイーズ宗谷

事業所

本社：札幌市中央区
稚内支店：稚内市
江差支店：檜山郡江差町
奥尻支店：奥尻郡奥尻町
瀬棚営業所：久遠郡せたな町（季節営業）

関連項目

蔦井倉庫
東日本フェリー：旧・道南海運
最北航路：利礼航路を題材にした曲

外部リンク

Heart Land Ferry（公式サイト）
ハートランドフェリー - Facebook
* 旧・東日本海フェリー at the Wayback Machine

脚注

[1] 日本船舶明細書I 2008年版
[2] 「おじゃまします 141回 ハートランドフェリー株式会社」『海員 The Seamen 2016年10月号』


この記述はハートランドフェリー株式会社に関する包括的な情報を提供することを目的としています。同社の歴史、航路、船舶、事業所、関連情報について詳細な情報を提供することで、読者の理解を深めることを目指しました。

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