プライア

カーボベルデの首都プライア：歴史、経済、文化の中心

プライア（Praia）は、カーボベルデ共和国の首都であり、最大の都市です。南部のソタヴェント諸島に属するサンティアゴ島に位置し、その名はポルトガル語で「砂浜」や「海辺」を意味します。カーボベルデの政治・経済の中心地であり、港湾都市としても重要な役割を果たしています。

歴史

1615年、ポルトガル人入植者によってプライア・デ・サンタマリアとして建設されたのが始まりです。当初は小さな密輸港に過ぎませんでしたが、近隣のリベイラ・グランデが海賊の襲撃などで荒廃すると、その中心地としての役割を引き継ぎました。1770年にはポルトガル領カーボベルデの中心都市となり、1858年に市へと昇格しました。1975年のカーボベルデ独立に伴い、首都としての地位を確立し、現在に至っています。

地理と気候

プライアはサンティアゴ島の南東岸に位置し、市の中心部は「高台」を意味するPlateauと呼ばれる台地上にあります。気候は熱帯性で、年間を通じて気温が高いのが特徴です。平均気温は20℃を超えますが、降水量は年間150mmから300mmと少なく、慢性的な水不足に悩まされています。雨季は8月から10月にかけてで、この時期に降雨が集中します。ケッペンの気候区分では砂漠気候（BWh）に分類されます。

人口

カーボベルデ独立後、国内の各島から人口が流入し、プライアの人口は急増しました。1975年から33年間で人口は約4倍に膨れ上がり、都市の過密化とインフラ整備の遅れが課題となっています。

経済

カーボベルデの主要産業は観光業であり、プライアでもビーチリゾートの開発が進められています。また、サン・ヴィセンテ島のミンデロと並ぶ国内の主要港湾都市として、魚介類やコーヒー、サトウキビ、トロピカルフルーツなどの輸出、消費財や工業製品、食料品、飲料水などの輸入が盛んです。

交通

プライアの玄関口は、かつては市の東側にあったフランシスコ・メンデス国際空港でしたが、2005年に閉鎖され、現在は北東側に新設されたプライア国際空港がその役割を担っています。カーボベルデのフラッグキャリアであるTACVカーボベルデ航空は、プライアに本社を置き、プライア国際空港をハブ空港の一つとしています。

主な施設

市内には、大統領宮殿、カーボベルデ政府の中央省庁、プライア市庁舎などの公的機関が集まっています。高等教育機関としては、カーボベルデ大学が有名です。また、国立民族学博物館などの文化施設や、ノッサ・セニョーラ・ド・ロザリオ教会といった宗教施設も存在します。1460年にポルトガル人がサンティアゴ島を発見したことを記念するモニュメントも観光名所となっています。スポーツ施設としては、8000人収容のエスタジオ・ダ・ヴァルゼアがあり、サッカーカーボベルデ代表のホームスタジアムとして利用されています。

著名な出身者

プライア出身の著名人としては、文学者のアルメーニオ・ヴィエイラ（カモンイス賞受賞）、サッカー選手のルイス・カルロス・アルメイダ・ダ・クーニャ（通称：ナニ）、ジェルソン・フェルナンデスなどがいます。

プライアは、その歴史、文化、経済において、カーボベルデの重要な中心地であり続けています。

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