上尾下

上尾下（あげおしも）

上尾下は、埼玉県上尾市に位置する大字です。上尾市の南部に位置し、主に大宮台地上に広がる南北に細長い地形をしています。この地域は、上尾地区として分類されています。

地理

上尾下は、埼玉県の県央地域に位置し、上尾市の南部に位置します。東側は大字原市、南側は五番町やさいたま市北区吉野町、西側は日の出や東町、北側は二ツ宮と隣接しています。地域の北部を上尾環状線が東西に走り、西側には芝川が南北に流れています。

芝川には、上流から国体橋、新橋、日の出橋、西長橋が架かっています。地域全体としては市街化区域であり、主に第一種住居地域（上尾環状線沿いは第二種住居地域）の住宅地が広がっていますが、芝川流域周辺には市街化調整区域として農地も残っています。また、芝川周辺は浸水常襲地区でもあります。かつては、1950年代まで芝川周辺に帯状に水田が広がっていました。工業地域に指定されている地区の北部は、かつて山林でした。

地内には長橋遺跡や榎戸遺跡があり、土器片が発掘されています。

地価

住宅地の地価は、2018年の公示地価によれば、大字上尾下字長橋835番7の地点で9万2900円/m2となっています。

歴史

上尾下は、江戸時代には武蔵国足立郡上尾領に属する上尾下村でした。延宝年間（1673年〜1681年）頃に、上尾町から分村して成立しました。村高は、『元禄郷帳』では204石余、『天保郷帳』では205石余でした。化政期の世帯数は55軒でした。かつての地区の形は、上尾宿の東側と南側に沿うように逆Lの字型をしており、上尾宿や上尾村との境は複雑に入り組んでいました。芝川右岸側に突き出た区域は、新たな町名に変更されました。現在の愛宕三丁目の一部、日の出一丁目〜四丁目の一部、栄町の大半がこれに相当します。地名は、上尾町の最も川下の場所であることに由来すると考えられています。

安土桃山時代には、旗本西尾氏の陣屋が村内に存在していました。陣屋があったとされる場所は、現在も陣屋という小字名で呼ばれています。1875年の農業産物高は、米106.2石、陸稲70石、大麦160石、小麦145石、大豆60石、小豆25石、栗10石、蕎麦15石、菜種5石、胡麻4石、大角豆5石、甘藷24000貫、里芋7200貫、大和芋1200貫でした。水利が不便であったため、旱害に強い甘藷栽培などの畑作が中心でした。

1868年（慶応4年）に旧幕府領が武蔵知県事の管轄となり、1869年（明治2年）に大宮県、同年浦和県を経て、1871年（明治4年）に埼玉県に編入されました。1889年（明治22年）の町村制施行により、上尾下村は上尾町の一部となりました。

明治40年頃には、地内の神社が上尾村の氷川社に合祀されました。1955年（昭和30年）に上尾町が周辺町村と合併し、新たな上尾町の大字となり、1958年（昭和33年）に上尾市の大字となりました。

1959年（昭和34年）には、放光院の「松下豊前守房利の供養塔」が市の記念物（史跡）に指定され、1974年（昭和49年）には「木造宝冠阿弥陀坐像」が市の有形文化財（彫刻）に指定されました。また、1967年（昭和42年）に住居表示が実施され、上尾下の一部が栄町、日の出、愛宕に編入されました。

2008年（平成20年）には、「陣屋の祭りばやし」が市の無形民俗文化財に指定されました（後に指定解除）。

交通

地区内には鉄道は敷設されていません。最寄り駅は埼玉新都市交通ニューシャトル沼南駅です。上尾駅東口から蓮田駅方面への路線バスが運行されています。

地域

上尾下には、陣屋町内会があります。かつては「陣屋の祭りばやし」という祭事がありましたが、陣屋囃子連の解散により指定解除されています。

施設

三井金属鉱業銅箔事業部上尾事業所（一部）
東京電力パワーグリッド上尾変電所
陣屋公民館
あおぞら保育園
放光院
陣屋公園
* 陣屋地区広場

もう一度検索