大槌町

大槌町について

大槌町（おおつちちょう）は、岩手県の上閉伊郡に位置する町で、東は太平洋に面し、三陸地方に属しています。町は縄文時代の遺跡が数多く存在し、振興山村や過疎地域に指定されている点も特徴です。また、蓬莱島はNHKの人形劇『ひょっこりひょうたん島』のモデルとされ、町内の昼のチャイムにはそのテーマソングが流れています。

地理的特徴

大槌町には約200平方キロメートルの広がりがあり、海岸部から西北の内陸部へ延びています。町の90％以上が森林で覆われており、大槌川と小鎚川が北上山地から流れ、三陸海岸の大槌湾に注ぎ込んでいます。町の中心部はこれらの川の形成した沖積平野に位置しています。また、人口は約11,000人とされ、外海に近い沿岸地域に多く住んでいます。

地形の特性

町内の山々には、鯨山（標高610.2メートル）、石坂森（標高573.3メートル）、白見山（標高1,172.6メートル）といった高峰があります。土坂峠や樺坂峠といった峠もあり、自然が豊かです。大槌湾や船越湾、浪板海岸などの美しい海岸線も存在し、観光名所として知られています。

湧水と生態系

大槌町は湧水にも恵まれており、特に大槌川と小鎚川に注ぐ雨水が地下に浸透し、様々な地域に自噴井があります。中央の町方地区には約180か所の自噴井があり、生活用水として利用されています。この水は水産加工や酒造、豆腐作りといった産業にも活用され、さらにはサケやマスの孵化に使われています。また、イトヨやバイカモといった珍しい生物も見られ、環境が保たれています。

歴史的背景

戦国時代には、大槌氏がこの地を支配し、特産物である南部鮭の交易で栄えました。しかし、南部利直の政策により大槌氏は破滅し、盛岡藩の管理下となりました。近代に入ると、鉄道の開通や漁業協同組合の設立が行われ、地域経済が発展していきます。特に、1982年には「吉里吉里国」としての独立宣言も行われ、一時期注目を集めました。

東日本大震災の影響

2011年3月11日の東日本大震災では、大槌町も大きな被害を受けました。町長と多くの職員が津波に飲まれ、震災後は行政機能が麻痺しました。震災の復興に向けた取り組みは続けられ、多くの支援が必要とされています。

交通と教育

交通面では、三陸鉄道や国道45号が通っており、近隣都市とのアクセスも良好です。地域の教育機関には義務教育学校や高校があり、教育の場が広がっています。

観光と文化

大槌町には多くの観光名所や文化が根付いており、特に海岸や歴史的名所は訪れる人々に親しまれています。地域のイベントや伝統芸能も盛んで、町の個性を大切にしながら発展が期待されています。

もう一度検索