大覚

大覚

大覚（だいかく、1297年 - 1364年）は、南北朝時代に活躍した日蓮宗の僧侶です。俗名は妙実、幼名は月光丸と称しました。

生涯

出自については、近衛経忠の子、あるいは後醍醐天皇の皇子という説があります。当初は真言宗の僧侶でしたが、1313年、京都で布教していた日像の説法に感銘を受け、長年身を置いていた大覚寺を捨てて日像の弟子となりました。

1342年には妙顕寺の2世となり、その名声を高めました。1358年、後光厳天皇の命により雨乞いの祈祷を行ったところ、たちどころに効果が現れました。この功績が認められ、日蓮に大菩薩の号、日朗と日像に菩薩の号が贈られ、大覚自身も大僧正に任じられるという栄誉に浴しました。

その後、大覚は真言宗の僧侶である福輪寺の良遊と法論を行い、見事に打ち破り、福輪寺を日蓮宗に改宗させました。この話を聞いた松田元喬は、大覚を自身の領内に招き、真言宗の僧侶たちと宗論させたところ、やはり真言宗側が敗北。松田氏は一族を挙げて大覚に帰依することとなりました。このことから、大覚は備前法華の祖として広く崇敬されています。

関連寺院

大覚は備前国（現在の岡山県）を中心に、数多くの寺院の創建や改宗に携わりました。以下はその一部です。

仏住山蓮昌寺（岡山市北区）
明光山妙勝寺（岡山市北区）
海雲山妙立寺（倉敷市）
龍雲山佛乗寺（倉敷市）
龍雲山法福寺
圓明山法華寺（笠岡市）
大覚山妙乗寺（笠岡市）
春日山乗福寺（笠岡市）
光応山圓融寺（小田郡矢掛町）
岸本山覚林寺（井原市）
光積山妙昭寺（井原市）
榮昌山妙泉寺（井原市）
妙法山蓮華寺（井原市）
金昌山妙善寺（井原市）
永潤山長泉寺（井原市）
漆原山圓信寺（井原市）
高原山妙福寺（井原市）
長命山長遠寺 （高梁市）
大覚山法華寺（倉敷市）
大覚山慈源寺（倉敷市）
妙見山本住寺（倉敷市）
大覚寺（総社市軽部）
清音妙蓮寺（総社市）
具足山妙本寺（加賀郡吉備中央町）
素南山巨福寺（高梁市）
正木山妙源寺（真庭市）
随縁山本覚寺（真庭市）
金原山妙圓寺（真庭市）
藤田山成就寺（岡山市北区）
臥龍山道林寺（岡山市北区）
常照山法鏡寺（備前市）
立石山松寿寺（岡山市南区）
鷲林山妙善寺（岡山市北区）
経王山本蓮寺（瀬戸内市）
大樹山法泉寺（和気郡和気町）
大覚山法宣寺（広島県福山市）
長息山妙宣寺（広島県尾道市）
菩長山妙永寺（広島県福山市）
漫延山妙楽寺（広島県神石郡神石高原町）

これらの寺院は、大覚の教えを今に伝える貴重な存在です。

参考資料

日蓮宗事典刊行委員会『日蓮宗事典』日蓮宗宗務院、1981年

外部リンク

* 大覚（おかやま人物往来） - 岡山県立図書館

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