大谷本廟

大谷本廟について

大谷本廟（おおたにほんびょう）は、京都市東山区にある浄土真宗本願寺派の本山、本願寺が所有する墓地であり、宗祖・親鸞の墓所として知られています。一般には「西大谷」と呼ばれ、宗教法人本願寺が保有する飛地境内の一部として位置づけられています。

基本情報と歴史

大谷本廟は、文永9年（1272年）に建立された「大谷廟堂」に起源を持ちます。この廟堂は、親鸞の弟子たちや東国（関東）の門徒の協力を得て、親鸞の末娘である覚信尼によって建設されました。初めて親鸞が埋葬された場所は「鳥辺野」にあり、現在の大谷本廟はこの地に設けられたものです。

江戸時代には、西本願寺第12世の准如の時代に、知恩院の拡張に伴い、大谷本廟が現在地に移転されました。この新しい地は、親鸞が荼毘に付された「延仁寺」に近い場所です。大谷本廟への納骨方法には、「祖壇納骨」「無量寿堂納骨」「墓地納骨」の三つの方法があります。

納骨の方法

1. 祖壇納骨: 明著堂の奥にある親鸞聖人の墓所近くの空間に納骨されます。
2. 第一無量寿堂納骨: これは寺院名義または団体名義での納骨が可能で、専用の容器を用いて行います。
3. 第二無量寿堂納骨: 個人名義での納骨が行える方法です。
4. 墓地納骨: ここでは焼骨のみを納めることが許されています。

大谷本廟では、永代経、年回法要、一座経などの法要が催されます。

大谷本廟の進化と再建の歴史

先代の親鸞の墓は、覚信尼の孫である覚如が大谷廟堂を寺院化し、名称を「本願寺」に変更したことから始まります。その後、歴史的な出来事としては、寛正6年（1465年）の西本願寺の破却、文明15年（1483年）に蓮如による再興、多くの法華一揆の発生といった波乱があり、それに伴い関連する寺院の移転や破却が繰り返されました。

特に、本願寺10世証如の時代にあたる天文元年（1532年）には、大谷道場が焼失したことをきっかけに、顕如は新たに大坂本願寺を設立します。その後も織田信長との合戦や、大坂本願寺への移転が続きました。ついには、顕如の努力によって天満本願寺が成立し、最終的に西本願寺が整備されて今日に至ります。

境内と文化

大谷本廟の境内には、親鸞聖人の墓所、明著堂、戦没者記念堂など、様々な重要な建物や施設があります。総門や円通橋、特に皓月池に咲く大賀蓮は、多くの訪問者の心を魅了しています。大谷本廟の面積には、納骨が行える墓地が設定されており、ここでの文化的活動や行事が続けられています。

アクセス

アクセスは、京阪電車の清水五条駅から徒歩10分の距離にあり、また、京都市営バスや京阪バスの「五条坂」バス停からも簡単に到達できます。訪れる際には、周辺の観光名所として有名な清水寺や建仁寺の近くも楽しむことができます。

大谷本廟は、浄土真宗の重要な宗教施設としてだけでなく、その豊かな歴史と文化を持つ場所として、多くの人々に親しまれています。

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