大野台駅

大野台駅（おおのだいえき）

大野台駅は、秋田県北秋田市上杉字金沢に位置する、秋田内陸縦貫鉄道秋田内陸線の駅です。

歴史

大野台駅の開業には、地域住民の熱意と社会福祉施設の誘致が深く関わっています。元々、駅周辺は10戸ほどの小さな集落（金沢集落）があるのみでした。集落の小学生は、合川東小学校まで農道を通って通学していましたが、冬季は積雪のため通行が困難になり、線路を歩くしかありませんでした。1963年には、同校の小学生が走行中の蒸気機関車に石を投げるという事件が発生し、青少年問題協議会で取り上げられる事態となりました。

当時の合川町長であった畠山義郎は、この状況を受け、秋田鉄道管理局に駅設置の陳情を行いました。当初は断られましたが、将来的な乗客増加が見込めるなら検討するという回答を得ました。そこで、大野台の別の地区（川井集落）に建設予定だった障害者施設「愛生園」を、駅建設を条件に、当初の予定地よりも金沢集落の近くに移転することにしたのです。この計画変更により、大野台駅の建設が実現しました。駅開業の約半年後の1965年10月に完成した愛生園は、その後規模を拡大し、現在では「大野台の里」全体で1000人規模の施設となっています。

年表

1965年（昭和40年）4月20日：国鉄阿仁合線の駅として、北秋田郡合川町に開業。建設費は合川町が全額負担した請願駅で、旅客のみを取り扱う無人駅でした。
1986年（昭和61年）11月1日：秋田内陸縦貫鉄道に転換。

駅構造

単式ホーム1面1線を有する地上駅です。無人駅で駅舎はありませんが、ホーム上には待合所が設置されています。

利用状況

駅周辺には、以下の施設があります。

金沢温泉
愛生園
厚生園
合川新生園 - 直線距離で約2km
秋田県民生協会
あきたセントラルキッチン
大野台工業団地
北秋田市民病院 - 直線距離で約2.5km
秋田県立北欧の杜公園 - 直線距離で約3km
秋田県道24号鷹巣川井堂川線

バス路線

秋北バスの路線バスが、大野台駅前バス停に乗り入れています。

鷹巣 - 沖田面線
沖田面行き：北秋田市民病院 - 合川駅 - 上小阿仁村役場前 - 沖田面
鷹ノ巣駅方面行き：北秋田市役所 - 鷹ノ巣駅前 - イオンタウン鷹巣前

隣の駅

秋田内陸縦貫鉄道

■秋田内陸線

□快速（上りのみ）・■普通

縄文小ヶ田駅 - 大野台駅 - 合川駅

脚注

参考文献

簾内敬司『日本北緯40度―戦後精神のかたち』日本経済評論社、1995年10月1日。
畠山義郎『美しい詩ではないけれど』秋田魁新報社〈シリーズ時代を語る〉、2013年4月12日、78-83頁。ISBN 978-4-87020-338-9。

関連項目

日本の鉄道駅一覧
請願駅

外部リンク

路線図（各駅情報） - 秋田内陸縦貫鉄道

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