奥平真治

奥平真治の生涯と業績

奥平真治（おくひらしんじ）、1936年10月5日生まれ。2023年7月10日に86歳で亡くなったこの日本の調教師は、特に中央競馬においてその名を刻んでいます。彼は東京競馬場や美浦トレーニングセンターに所属し、中央競馬史上初の牝馬三冠馬であるメジロラモーヌを管理したことで知られています。ついには、GI級競走での通算6勝を達成し、1990年度にはJRA賞の最多賞金獲得調教師に選出されました。青森県上北郡七戸町の出身で、その名前は「眞治」と戸籍に記されていますが、一般には「真治」と表記されています。

生い立ちとキャリアの始まり

真治は競馬に特別な情熱を抱いていましたが、父奥平作太郎の厩舎で育ちながら自らの道を見出すのが難しい時期もありました。1942年に作太郎が東京競馬場で厩舎を開業した以降、家族は東京府中市へ移住。しかし、太平洋戦争の影響で競馬は一時中断され、真治は一家で青森県七戸町の盛田牧場に疎開し、リンゴ栽培を通じて生計を立てました。戦後、1946年に競馬が再開されてから作太郎は東京へ戻りますが、真治は七戸に残ることになります。

真治は騎手を目指しましたが、骨膜炎にかかった影響で夢を断念。彼は三本木高校に入学しましたが、生活の厳しさから1954年に高校を中退し、17歳で父の厩舎に入門。調教助手としてキャリアをスタートしました。

調教師としての成功

1969年、真治は父作太郎が亡くなった後、稲葉幸夫厩舎に移籍し、1年半の研修を経て調教師免許を取得しました。1971年に作太郎の厩舎を引き継いで自身の厩舎を開業し、初年度から11勝を挙げました。彼の最初の重賞勝利は1972年の安田記念を制したラファールでした。この成功は彼のキャリアの土台を築くものであり、1973年にはストロングエイトが中島騎乗で有馬記念を制し、さらに名声を高めました。

トウショウ冠名の馬たち

1970年代後半からは、中島騎手とともに藤田正明から「トウショウ」の冠名を持つ多くの馬を預託され、重賞を次々と勝利しました。また、メジロ牧場との関係も構築し、最初に任されたメジロラモーヌは牝馬三冠を成し遂げました。

1989年には年間35勝を挙げ、関東での勝利数トップに。その後もメジロライアンやレオダーバンなどの馬がGI級競走を勝利しましたが、1990年代半ばからは次第に重賞勝利が少なくなりつつも、年間20勝程度は安定して維持しました。

引退と晩年

調教師業を続ける一方で、2007年には定年に達し、引退式は中山競馬場で盛大に行われました。この際、甥の横山典弘が代表として花束を手渡しました。引退後も競馬界での貢献は続き、メジロライアンのイベントに参加するなどして多くのファンから愛され続けました。最終的には2023年7月10日に人生を終えるまで、競馬界に多大な影響を与え続けた人物でした。

通算成績と主な管理馬

奥平真治の調教師としての通算成績は305戦32勝、代表的な管理馬には、ラファール（安田記念）、ストロングエイト（有馬記念）、メジロラモーヌ（三冠制覇）などがあり、その名前は今でも多くのファンに知られています。

彼が育てた馬たちは、競走馬としてだけでなく、競馬の歴史においても大きな役割を果たしました。奥平真治の名は、これからも競馬の歴史の中で語り継がれていくことでしょう。

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