岡南飛行場

岡南飛行場の概要

岡南飛行場（こうなんひこうじょう、Kohnan Airport）は、岡山県岡山市南区に所在し、岡山県によって設置・管理される飛行場です。この場所は、かつて「岡山空港」として知られており、国内航空路線が利用されていました。主に全日本空輸が東京行きの路線を、また東亜国内航空が松山や宮崎行きの路線を運航していました。

しかし、長さ1,200メートルの滑走路は、YS-11クラスの航空機の離着陸が限界であり、ジェット機の運用も難しかったため、輸送力の向上には課題がありました。また、飛行場の周囲には金甲山や貝殻山といった山々が存在し、その地形的な制約により滑走路の拡張も難しい状況でした。このような背景から、1988年に新しい岡山空港が岡山市北区日応寺の丘陵地帯に開港され、岡南飛行場は飛行場名を「岡南飛行場」に改め、種類を「公共用その他飛行場」に変更しました。

現在の役割

新岡山空港の開港後、岡南飛行場では定期旅客便の運航が中止され、現在は主に貸切輸送や遊覧飛行、さらには撮影や宣伝飛行、そして自家用機に特化した小型機の拠点として機能しています。また、この地域では「ウイスキーパパ競技曲技飛行チーム」や「TEAM GION」といった曲技飛行チームの基地ともなっています。

さらに、岡山県警察航空隊や岡山市消防航空隊も岡南飛行場を利用しているため、地域の防災や警備活動に寄与しています。なお、飛行場の利用にあたり、他の多くの飛行場に見られる停留期限が設けられていないため、小型機にとって利用しやすい環境が整っていますが、長期放置される機体が見られるなどの問題も指摘されています。近年、2023年には毎年約2億円の赤字経営が報道され、経営環境の厳しさも浮き彫りになりました。

従来、岡南飛行場にはIATAコードが存在しましたが、現在は付与されていません。特に地元の文化においては、2005年放送のテレビドラマ『花より男子』の最終話でもロケ地として使用され、地域住民に親しまれています。

歴史

岡南飛行場の歴史は1962年10月13日にさかのぼります。旧式の「岡山空港」として開港し、1988年には新岡山空港の発足に伴い、現名称への変更が行われました。1992年にはゼネラルアビエーション空港として認定されるなど、小型航空機の活動拠点としての地位を確立しました。その後、2001年には新エプロンの拡張が行われ、2004年には新管理棟が供用開始されました。近年では、2021年に訓練中の航空機が滑走路を逸脱するという重大インシデントが発生したこともあり、運営管理の重要性が増しています。

設備と交通

岡南飛行場の現ターミナルビルの３階には、訪問者が利用できる無料の展望施設があります。周辺地域のアクセス面では、岡電バスが運行しており、 JR岡山駅東口から約40分、天満屋バスステーションからも約30分で到着できます。また、タクシーを利用する場合は、岡山インターから約50分、岡山駅から約30分で行ける距離です。

周辺情報

岡南飛行場周辺には、岡山県道212号浦安豊成線や岡山港、児島湖、金甲山などの自然や文化に触れられるスポットも多く存在します。地域の生活や文化活動とも密接に関連したこの飛行場は、岡山県内において重要な役割を担っています。

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