岡部正

岡部正（おかべ ただし）

岡部正は、1923年5月11日に埼玉県入間郡飯能町（現在の飯能市）に生まれた日本の俳優です。日本大学芸術科を卒業後、小学校教諭を経て東宝の専属俳優となり、数々の映画やテレビドラマに出演しました。没年は不明です。

来歴と人物

岡部は、戦後の早い時期から1970年代前半にかけて、幅広いジャンルの作品で活躍しました。特に、東宝特撮映画では、学者、医師、それらの助手といった役柄を多く演じ、白衣姿が印象的でした。また、クレージー映画にも多数出演し、コミカルな演技でも観客を魅了しました。

1960年代にはテレビドラマにも進出し、ウルトラシリーズでは、『ウルトラQ』の一の谷博士の助手・本多役や、『ウルトラセブン』のキタムラ博士役を演じました。これらの役は準レギュラーとしての出演でしたが、作品に深みを与える重要な存在でした。

1971年に東宝が専属俳優の一斉解雇を行った後も、岡部は俳優活動を続けましたが、1973年公開の映画『夕日くん サラリーマン仁義』以降、出演記録が見当たらず、その後の消息は不明です。

主な出演作品

映画

岡部は、数多くの映画に出演しています。以下に主な作品を挙げます。

ゴジラシリーズ
『ゴジラ』（1954年）：田辺博士の助手
『ゴジラの逆襲』（1955年）：防衛隊員
『モスラ対ゴジラ』（1964年）：自衛隊員
『怪獣大戦争』（1965年）：宇宙局局員
『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』（1966年）：白衣の男2
『怪獣総進撃』（1968年）：アナウンサー
『ゴジラ対ヘドラ』（1971年）：科学者
『空の大怪獣 ラドン』（1956年）：新聞記者B
『日本誕生』（1959年）：大和国の民
『宇宙大戦争』（1959年）：副官
『電送人間』（1960年）：警官
『モスラ』（1961年）：はやかぜ医師
『妖星ゴラス』（1962年）：計算員
クレージー映画
『ニッポン無責任野郎』（1962年）：近藤
『ホラ吹き太閤記』（1964年）：織田家の武将
国際秘密警察シリーズ
『国際秘密警察 指令第8号』（1963年）：警部A
『フランケンシュタイン対地底怪獣』（1965年）：記者B
『連合艦隊司令長官 山本五十六』（1968年）：富岡第一課長
『夕日くん サラリーマン仁義』（1973年）

テレビドラマ

ウルトラQ
第3話「宇宙からの贈り物」（1966年）：本多助手
第25話「悪魔ッ子」（1966年）
第27話「206便消滅す」（1966年）
第28話「あけてくれ!」（1967年）
ウルトラセブン
第22話「人間牧場」（1968年）：キタムラ博士
第27話「サイボーグ作戦」（1968年）
第33話「侵略する死者たち」（1968年）
第48話「史上最大の侵略（前編）」（1968年）
第49話「史上最大の侵略（後編）」（1968年）
帰ってきたウルトラマン 第1話「怪獣総進撃」（1971年）：医師
怪奇大作戦 第11話「ジャガーの眼は赤い」（1968年）：刑事

参考文献

『東宝特撮映画全史』監修 田中友幸、東宝出版事業室、1983年。
『ENCYCLOPEDIA OF GODZILLA ゴジラ大百科 [メカゴジラ編]』監修 田中友幸、責任編集 川北紘一、Gakken、1993年。
『別冊映画秘宝 モスラ映画大全』洋泉社、2011年。
『別冊映画秘宝 初代ゴジラ研究読本』洋泉社、2014年。
『東宝特撮映画大全集』執筆：元山掌 松野本和弘 浅井和康 鈴木宣孝 加藤まさし、ヴィレッジブックス、2012年。

外部リンク

岡部正 - 日本映画データベース
岡部正 - allcinema
岡部正 - KINENOTE
岡部正 - 映画.com
Tadashi Okabe - IMDb（英語）
岡部正 東宝資料室

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