島田豊作

島田豊作の生涯

島田 豊作（しまだ とよさく、1912年3月31日 - 1988年7月11日）は、日本の陸軍軍人として知られ、最終階級は陸軍中佐である。群馬県館林市出身で、彼の経歴は陸軍士官学校─士候45期を経て戦場に身を投じたものだった。

幼少期と教育

1929年に旧制館林中学校を卒業した後、陸軍士官学校に入校し、1933年に同校を卒業。兵科は歩兵であり、その後見習士官を経て陸軍歩兵少尉として戦車第2連隊で戦車教育を受けた。

戦歴

戦後の日本において、彼の功績として記憶されるのは、1935年の満州事変、1939年の日中戦争（支那事変）への従軍である。その後、太平洋戦争の緒戦である南方作戦に加わり、戦車第6連隊の第4中隊長としてマレー作戦に参加した。この戦闘では、彼が率いる島田戦車隊が九七式中戦車や九五式軽戦車を利用し、戦史に名を刻む夜襲を敢行する。

スリム・リバーの戦いでは、島田中佐が指揮する第4中隊は、戦車および随伴歩兵100名以上と共に、短期間で数度の攻撃を重ねながら、敵陣を打破する。特に、全縦深を1日で突破し、その後は電撃戦を駆使してトロラク及びスリムの陣地を占領した。これにより、イギリス軍司令部への攻撃も成功させ、敵軍の退路を断つという狙いを達成した。

その後、1942年4月には戦車第9連隊に配属され、続いて1943年3月には陸軍士官学校の機甲兵教官に任命され、1945年3月には戦車第18連隊の長に就任し、終戦までその地位を守った。

戦後の生活

戦後、島田豊作は教育の道に進み、母校である館林高校で社会科の教員として教鞭をとった。教員免許を取得し、定年まで地域の教育に貢献し続けた。

著作と文化的影響

彼の著作には『マレー戦車隊』や『サムライ戦車隊長―島田戦車隊奮戦す』などがあり、これらは戦争の実際や教訓を後世に残す重要な資料となっている。特に、1975年に再出版された『マレー戦車隊』はその内容を通じて多くの読者に影響を与えた。

また、1944年には洋画家の伊原宇三郎による彼の肖像画『島田戦車部隊スリムの敵陣突破』が製作され、戦時特別文展に出品された。しかし、戦後にはこの絵画が軍事主義的と判断されてしまい、GHQによって没収されることになる。しかし、1970年にアメリカから返還され、現在は東京国立近代美術館に所蔵されている。

最後の年

島田豊作は1988年7月11日に76歳で死去。彼の生涯は、教育者としての顔とともに日本陸軍の一員としての多くの戦功を残すものだった。彼の業績は、今なお多くの人々の記憶に残っている。

参考文献

• - 島田豊作『マレー戦車隊』河出書房

関連項目

• - 玉田美郎
• - 戦車第4連隊
• - 池田末男
• - 西住小次郎

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