東久根別駅

東久根別駅（ひがしくねべつえき）は、北海道北斗市久根別1丁目に位置する道南いさりび鉄道線の駅です。駅番号は「sh10」が付与されています。

歴史

この駅は、もともと日本国有鉄道（国鉄）江差線に設置された臨時乗降場として誕生しました。開業は1986年（昭和61年）11月1日で、当時は「東久根別臨時乗降場」という名称で、旅客扱いのみを行う無人駅でした。

翌年の1987年（昭和62年）4月1日、国鉄が分割民営化された際に、北海道旅客鉄道（JR北海道）に継承されることとなり、そのタイミングで臨時乗降場から正式な駅へと昇格しました。

その後、1988年（昭和63年）3月13日には、本州と北海道を結ぶ海峡線（津軽海峡線）の開業に伴い、当駅を含む江差線の五稜郭駅から木古内駅までの区間が電化されました（交流20,000V、50Hz）。これにより、この区間を走行する列車の運行体系に変化が見られました。

大きな転換期となったのは、2016年（平成28年）3月26日です。この日、北海道新幹線の新青森駅 - 新函館北斗駅間が開業したことにより、並行在来線であった江差線の五稜郭 - 木古内間はJR北海道から分離され、第三セクター鉄道である道南いさりび鉄道へと経営が移管されました。東久根別駅も、この経営移管に伴い道南いさりび鉄道の駅となりました。

駅構造

東久根別駅は、単式ホーム1面1線を持つ地上駅です。列車の発着は基本的にこの一面のホームで行われます。開業以来、一貫して無人駅として運営されており、現在は五稜郭駅の管理下に置かれています。

当駅の最大の特徴の一つが、その駅舎です。かつて鉄道貨物輸送で使われていたワフ29500形という有蓋貨車を改造して待合室として利用しています。これは、鉄道車両を再利用した珍しい例であり、駅の個性となっています。

2016年の道南いさりび鉄道への移管後も、無人駅である状況は変わりませんが、利用者の利便性向上のため、道南いさりび鉄道仕様の自動券売機が設置されました。貨車改造の待合室は、この自動券売機やトイレを含めて、原則として午前7時から午後8時までの時間帯に利用することができます。

駅周辺

駅の周辺は、主に団地を含む住宅地が広がっており、比較的静かな環境です。駅を出て南方向へ進むと、幹線道路である国道228号線に出ることができます。この国道沿いには、様々な種類の店舗や飲食店、サービス施設などが点在しており、生活に必要な施設が揃っています。

駅周辺の主要な施設としては、地域金融機関である北洋銀行七重浜支店や、教育機関である北斗市立久根別小学校などがあります。また、公共交通機関として、函館バスの「東久根別」停留所が駅近くに位置しており、バス路線への乗り換えが可能です。

隣接駅

道南いさりび鉄道線の駅として、東久根別駅は久根別駅（駅番号sh09）と七重浜駅（駅番号sh11）の間に位置しています。歴史的には、久根別駅と当駅の間にかつて新七重浜仮乗降場がありましたが、こちらはすでに廃止されています。

このように、東久根別駅は、地域の生活を支える鉄道駅として、静かな住宅地にありながらも、過去の歴史やユニークな駅舎構造、そして周辺の利便性といった多様な側面を持っています。

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