烏丸光栄

烏丸光栄 - 江戸時代の公卿と歌人

烏丸光栄（からすまる みつひで）は、元禄2年（1689年）に出生し、延享5年（1748年）に亡くなった日本の公卿であり歌人です。彼は烏丸宣定の息子として生まれ、長い官歴を経て正二位・内大臣にまで昇進しました。この肩書きを持つ烏丸家の人物は光栄一人であり、特に彼の文学的業績が評価されています。

経歴と業績

光栄は「不昧真院」という号を持ち、また法名として「海院浄春」とも呼ばれています。彼は和歌の技術を、霊元天皇や中院通躬、武者小路実陰から学びました。また、多くの著名な弟子を抱え、古今伝授を行ったことでも知られています。弟子の中には、有栖川宮職仁親王や桜町天皇が含まれ、特に天皇は彼から和歌の教えを受けることができました。

光栄はまた、三上藩主の遠藤胤忠にも古今流のわかを伝授しています。彼の文学的遺産には「栄葉和歌集」や「詠歌覚悟」などがあり、優れた作品を残しました。彼の作品は、当時の文化において重要な位置を占めていました。

彼は1748年の3月14日に60歳で没しました。光栄の死後、家督は彼の養子である中御門宣誠の密子にあたる光胤が相続しました。

家族構成

烏丸光栄の父は烏丸宣定で、母は長野政子です。彼は松平綱昌の娘である瑞應院と結婚しましたが、他にも何人かの男子と女子が存在しました。男子には烏丸尹光、日野資総、勘解由小路資望、裏松光世、日野資枝がいます。また、女子には烏丸光胤の妻、松平定賢の妻が名を連ねています。光栄は、養子として中御門宣誠の密子である烏丸光胤も認めており、彼が光栄の後を継いでいます。

影響と評価

烏丸光栄はその業績により、後世においても高い評価を受けています。彼の和歌や指導のスタイルは、後の歌壇に多大な影響を与え、多くの歌人たちに受け継がれていきました。特に、光栄が教えた技術や教え子たちの成長が、彼の名を一層際立たせる要因となっています。彼の影響を受けた作品や流派は、今でも和歌の世界に息づいており、江戸時代の文学の一端を担っていると言えるでしょう。

参考文献

烏丸光栄に関する研究は様々な文献に記されています。中でも中川豊の『近世中後期における〈知〉の伝播に関する研究』では、彼の伝授や作品の価値について詳しく述べられています。興味のある方は是非ともこれらの文献を参考にしてみることをお勧めします。

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