田辺市立美術館

田辺市立美術館：紀州の芸術と近代洋画の融合

田辺市立美術館は、和歌山県田辺市新庄総合公園内にある美術館です。1996年、実業家で収集家であった脇村禮次郎氏より寄託された貴重なコレクションを基に開館しました。同美術館は、紀州ゆかりの作家たちの作品を数多く収蔵しており、地域文化の深い理解を促す重要な役割を担っています。

充実したコレクション

美術館の所蔵品は、日本画、油彩画、文人画、書跡と多岐に渡り、その質と量の両面で高く評価されています。

日本画では、紀州の三大文人画家である祇園南海、桑山玉洲、野呂介石の作品に加え、村上華岳、野長瀬晩花、稗田一穂、岡信孝といった著名な画家の作品が展示されています。特に、作者不詳の「洛中洛外図屏風（洛陽祇園祭礼之図）」は、歴史的価値の高い貴重な作品です。

油彩画のコレクションは、脇村禮次郎氏の実兄であり経済学者であった脇村義太郎氏の収集品を基盤としており、近代洋画史における重要な作品が多数含まれています。藤島武二、中村彝、佐伯祐三、前田寛治、川口軌外、保田龍門、赤松麟作、有島生馬、原勝四郎、鍋井克之、元永定正、白髪一雄、村井正誠といった巨匠たちの作品が鑑賞できます。これらの作品は、日本の近代洋画の発展を辿る上で貴重な資料となっています。

文人画においては、木村蒹葭堂、祇園南海、野呂介石、桑山玉洲といった、文人画の伝統を受け継ぐ名だたる画家たちの作品が展示され、洗練された筆致と奥深い表現世界を堪能できます。

書跡も重要なコレクションの一部であり、内藤湖南、狩野君山の作品などが含まれています。

美術館の施設とアクセス

美術館は、鉄骨造の建物で、展示室5室、図書コーナー、サロン、研修室（ハイビジョン・ギャラリー）といった充実した施設を備えています。

アクセスは、JRきのくに線白浜駅または紀伊田辺駅から明光バスを利用することで容易です。「新庄総合公園」バス停下車後徒歩5分、「新庄病院前」バス停下車後徒歩5分と、複数のルートからアクセス可能です。

近隣施設と関連施設

美術館周辺には、南和歌山医療センター、和歌山県立情報交流センターBig・U、紀南こころの医療センター、新庄総合公園といった施設があり、美術館を訪れた際の散策にも便利です。また、田辺市立美術館には、分館として熊野古道なかへち[[美術館]]があります。

まとめ

田辺市立美術館は、地域に密着した郷土の芸術と、近代洋画の優れたコレクションを有する美術館です。その充実した展示内容と、アクセスしやすい立地は、多くの来館者にとって魅力的な空間となっています。紀州の文化に触れ、日本の近代美術史を深く理解したい方にとって、必見の美術館と言えるでしょう。

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