竹野駅

竹野駅：山陰海岸国立公園の玄関口

兵庫県豊岡市竹野町に位置するJR西日本山陰本線の竹野駅は、明治44年(1911年)10月25日に開業しました。当初は播但線の一部でしたが、翌年には山陰本線に編入されています。古風な木造瓦葺きの駅舎は、開業当時からの姿を今に伝えており、歴史を感じさせる景観を形成しています。

駅舎は1番線ホーム側にあり、反対側の2番線ホームへは跨線橋で繋がっています。この跨線橋は、浜坂駅の地下道設置に伴い余剰となったものを移設したもので、昭和43年(1968年)に設置されました。

竹野駅は特急「はまかぜ」の停車駅であり、観光の拠点として重要な役割を果たしています。特に、夏期は竹野浜、弁天浜、青井浜、切浜などの海水浴場が賑わい、多くの海水浴客で活気に満ち溢れます。一方、冬期には、新鮮なカニを求める観光客でにぎわいを見せます。駅周辺には、民宿が多数あり、観光客の宿泊施設としても利用されています。

駅の構造は、単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線の、合計2面3線でしたが、2012年5月現在では2面2線となっています。3番線ホームの線路は残存していますが、フェンスが設置され使用されていません。「はまかぜ」にキハ189系が導入されたことに伴い、ホーム嵩上げ工事が行われました。

駅には改札内に男女別の水洗式トイレが設置され、豊岡駅管理の簡易委託駅として窓口も設置されています。ただし、朝晩は無人となる時間帯があります。

2017年度の1日平均乗車人員は約226人で、近年は安定した利用者数を維持しています。駅周辺には、竹野海岸方面へのバス停のほか、かつては土産物屋がありましたが、現在は喫茶店や酒屋などが数軒営業しています。

駅周辺には、竹野温泉をはじめ、美しい海岸線や、兵庫県最北端の猫崎などの観光スポットが点在しています。また、シュノーケルセンターやキャンプ場を併設した休暇村竹野海岸、奥城崎シーサイドホテル、ダイビングリゾートT-styleなどの宿泊施設やレジャー施設も充実しています。その他、豊岡市役所竹野振興局（旧竹野町役場）、豊岡市立竹野小学校・中学校、竹野郵便局なども駅周辺に位置しています。

駅に隣接する竹野川も、自然豊かな景観を形成する要素の一つです。全但バスや豊岡市営バス（イナカー）などの路線バスも運行しており、駅からのアクセスも良好です。

かつては、土日祝日に竹野海岸周遊バス（全但バス運行、予約制）が運行されていました(2012年4月～11月)。また、1985年から1996年までの夏季には、海水浴客の利便性向上のため、当駅と相谷信号場間に臨時駅である「きりはまビーチ駅」が設置されていました。2012年までは、当駅と佐津駅間に相谷信号場が存在していました。

昭和天皇と香淳皇后は、昭和43年(1968年)10月6日、第23回国民体育大会に合わせて県内を行幸啓された際に、竹野駅を発車し竹田駅へ向かうお召し列車が運行されました。

歴史と自然が融合した竹野駅は、山陰海岸国立公園を訪れる際の重要な拠点として、これからも地域に貢献していくことでしょう。

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