薩摩大川駅

薩摩大川駅について

薩摩大川駅（さつまおおかわえき）は、鹿児島県阿久根市大川に位置する肥薩おれんじ鉄道線の駅です。駅番号はOR23で、地域の人々に利用されています。

歴史

駅の歴史は、その地名に深く関わっています。開業当時、この地は出水郡阿久根村字大川と呼ばれていました。大川川は、かつて「大迫（ウサコ）」と呼ばれた谷間の川であり、その流域に集落が形成され、「大川（ウコ）」を経て現在の「大川（オオカワ）」という地名になりました。この地を流れる川も、大川川と名付けられました。このため、大川という地名は古くから存在しており、江戸時代には出水郡阿久根郷大川村として知られていました。

駅を設置する際、既に他の鉄道に大川駅が存在していたため、旧国名の「薩摩」を冠して「薩摩大川駅」と命名されました。

年表

1936年（昭和11年）12月15日：鉄道省の新駅として、牛ノ浜駅 - 西方駅間に開業。
1946年（昭和21年）7月15日：小口扱い貨物取扱開始。
1949年（昭和24年）6月1日：日本国有鉄道が発足。
1961年（昭和36年）9月1日：小口扱い貨物取扱廃止。
1965年（昭和40年）10月1日：駅舎の建て替えとホーム及び線路の嵩上げ工事が完了。駅構内が高架化され、交換設備が設置。
1970年（昭和45年）8月21日：荷物扱い廃止。CTC化に伴い無人駅化。
1972年（昭和47年）6月18日：北薩摩豪雨により、川内方の尻無地区と旧線（旧尻無トンネル）付近で大規模な土砂崩れが発生。当駅 - 西方駅間が長時間不通となるも、6月25日に仮復旧。
1973年（昭和48年）10月1日：第二尻無トンネルが完成。旧線から新線への線路付替え工事が完了し、現在の線形となる。
1978年（昭和53年）3月：駅舎が改装。
1987年（昭和62年）4月1日：国鉄分割民営化により、JR九州に継承。
2004年（平成16年）3月13日：九州新幹線開業に伴い、肥薩おれんじ鉄道に移管。
2019年（令和元年）10月1日：駅ナンバリング導入に伴い駅名標を更新。英語表記が「Satsuma Ohkawa」から「Satsuma-Ōkawa」に変更。

駅構造

相対式ホーム2面2線を有する地上駅で、無人駅です。駅舎は2階建てのコンクリートブロック製で、1965年（昭和40年）10月に建てられました。線路が高く位置しているため、駅舎の2階がホームに面した待合室となっています。かつては駅係員の宿直室や詰所として使用されていましたが、現在は待合室として利用されています。川内側の分岐器はトンネル内にあり、入口が複線、出口が単線となる珍しい構造です。

JR九州時代には、改札口を入った所（1番線ホームに上がる階段の前）に駅名標が設置されていました。

かつての駅

開業当初は木造平屋建ての有人駅で、線路とホームは地上より若干高い程度の位置にありました。交換設備のない単式ホーム1面1線で、八代方の線路は1965年9月まで駅前の寺下踏切から大川川沿いの集落の山側に沿って敷かれていました。川内方の線路も1973年9月までは現在とは逆に山に沿う形で旧尻無トンネルを抜けて本線に合流していました。

大川地区周辺は、開業当初から大雨や長雨による大川川、尻無川の氾濫が頻発し、駅周辺や構内が水没して列車が長時間不通になるなど、度重なる水害に悩まされていました。そのため、1964年から当駅 - 旧尻無トンネル - 尻無川鉄橋付近の線路やホームの嵩上げ工事と交換設備の設置工事が行われ、1965年10月1日より高架化されました。駅舎も水害対策としてコンクリートブロック製の2階建てに建て替えられました。1階には駅長事務室、出札窓口、改札口が、2階には駅係員用の宿直室や詰所が設けられていました。

1970年の無人化後に駅長事務室や出札窓口と共に宿直室や詰所も撤去され、待合室に改装されました。現在は、駅長事務室や出札窓口があった箇所は板張りの壁が付けられています。改札口から2番線ホームに繋がる地下道には「1965-10」のプレートが掲出されています。

1972年の北薩摩豪雨では、旧尻無トンネルのある尻無地区で大規模な土砂崩れが発生し、線路が広範囲に埋没しました。復旧工事の調査で旧尻無トンネルの地盤の緩みが判明したため、山側の地盤の強固な箇所にトンネルを設け、新線を敷設する工事を行うことになりました。旧線を仮復旧後、第二尻無トンネルを掘削し、新線に線路を付け替えて現在の線形になりました。現在の当駅ホームが地上より高い位置にあることや、川内方が大きくカーブして分岐器がトンネル内にあるのは、このためです。

現在、旧線は八代側、川内側ともに大半が藪化していますが、一部路盤や旧尻無トンネル跡、橋台跡は当時の姿を残しています。旧尻無トンネル坑口は柵で塞がれており、立ち入ることはできません。

利用状況

2019年度の1日平均乗降人員は13人です。

駅周辺

国道3号
阿久根市立大川小学校
阿久根市立大川中学校（廃校）
阿久根市役所 大川出張所
大川郵便局
道の駅阿久根

隣の駅

肥薩おれんじ鉄道
* ■肥薩おれんじ鉄道線
牛ノ浜駅（OR22） - 薩摩大川駅（OR23） - 西方駅（OR24）

もう一度検索