越路吹雪

越路吹雪（こしじ ふぶき）

越路吹雪、本名内藤美保子（ないとうみほこ）は、日本のシャンソン歌手であり舞台女優です。1924年2月18日に東京府東京市麹町区（現在の東京都千代田区）に生まれ、1980年11月7日に56歳で亡くなりました。彼女は元宝塚歌劇団の主演男役として知られ、後にシャンソンの女王として多くの人々に愛されました。

生い立ち

越路は5人兄弟の中で3番目に誕生します。彼女の両親は山梨県から上京し、母親は病気の姉の看病をするため、越路は一時的に祖父母のもとで育てられました。その後、父親の転勤により新潟で生活を始め、ここで「越路吹雪」という芸名が名づけられました。彼女は若い頃から歌に強い熱意を持ち、勉強はあまり得意ではなかったものの、その才能を生かすために宝塚音楽歌劇学校に進学します。

宝塚歌劇団時代

越路は宝塚歌劇団27期生として入団し、その後男役スターとして戦前・戦後にかけて活躍を見せました。1939年に初舞台を踏み、1943年から1944年にかけては多くの話題作に出演しました。越路は女性でありながら男役を演じ、その存在感や演技力で観客に強い印象を残しました。終戦後の公演「ミモザの花」での主演は特に高く評価され、彼女の名声は一層高まりました。

シャンソン歌手としての成功

1951年に宝塚を退団してからは、東宝の専属女優としてミュージカルやシャンソンの世界で才能を発揮しました。彼女はエディット・ピアフの影響を受けてシャンソンを歌うようになり、特に「愛の讃歌」は彼女の代表作として知られています。この曲は、彼女の歌声によって日本中に広まり、越路に「シャンソンの女王」としての名声を与えました。その影響で、リサイタルも行われるようになり、彼女の公演は常に満席となりました。

最後の舞台

1980年春、越路は定期的に行っていた日生劇場でのロングリサイタルを行いましたが、その後、体調に不安を抱えるようになり、急な入院となりました。胃の痛みに悩まされ、その後手術を受けましたが、治療が思わしくなく、数か月後に亡くなることとなりました。

死後の評価

越路の死は日本の音楽界に大きな衝撃を与えました。彼女は死後も生涯を通じた輝かしい業績によって記憶され、2014年には宝塚歌劇団の創立100周年を記念して「宝塚歌劇の殿堂」に殿堂入りを果たしました。また、彼女の名曲は今でも多くの人々に歌い継がれています。

プライベートと人間関係

越路は、作曲家の内藤法美と1959年に結婚し、生涯を共にしました。彼女は家庭を大切にしながらも、自身の仕事に情熱を注ぎ続けました。有名なシャンソン歌手である岸洋子と共演し、華やかな芸能活動を行っていました。越路はその人柄から多くの友人や恩人に囲まれ、支えられていました。

まとめ

越路吹雪の功績は、彼女の歌声と演技を通じて日本の音楽文化に深い影響を与えました。特にシャンソンにおいては、彼女が日本に紹介した曲は数多く、現在でも多くの人に愛されています。越路の情熱と才能は、後世にわたって語り継がれることでしょう。

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