趙昂

趙昂（ちょうこう）について

趙昂（趙昂）は、中国後漢末期に活躍した武将であり、涼州漢陽郡の出身です。彼の生涯や業績は、歴史の中でも特に注目される存在であり、その貢献は多岐にわたります。彼は、字（あざな）として「偉章」または「偉璋」を持ち、妻の王異、子供には娘の趙月と趙英、そして二人の息子がいます。

略歴

趙昂は、羌道県令に任じられた後、同郷の楊阜や尹奉らとともに名声を高め、涼州での軍事活動に従事しました。建安年間には、参軍事に転任し、冀県に移り住むこととなります。

建安18年（213年）、冀城が馬超に攻め寄せられた際、趙昂は妻と共に必死に防衛に努めました。しかし、当時の涼州刺史・韋康は、馬超への降伏を考慮し、趙昂や楊阜の諌めを無視して和議を結んでしまいます。この結果、馬超は降伏を受け入れた後、約束を破って韋康を殺害し、趙昂に自身の子供である趙月を人質として南鄭へ差し出すよう命じました。

馬超は、趙昂を自分の配下にしたいと考えましたが、彼の忠誠心を疑っていたため、趙昂の妻・楊氏と会談し、その本心を探ろうとしました。その結果、趙昂たちが忠義を尽くす者であることが確認され、信頼を得ることができたとされています。

建安19年（214年）には、楊阜や姜叙、尹奉らが結託して馬超に反旗を翻しました。この時、趙昂は尹奉と共に祁山の守備にあたりました。馬超が一度撤退した後、張魯の援軍と共に再度攻めてきた際、趙昂は妻と共に祁山に立て籠もり、夏侯淵の援軍が到着するまでの30日間、彼の猛攻に耐え続けました。しかし、張郃軍の到着により馬超軍の包囲が解かれ、趙月が馬超に殺されるという悲劇が待ち受けていました。防衛戦の間、趙昂は妻の助けを得て九つの奇計を用いて、数々の戦術を展開しました。

隴右が平定された後、趙昂を含む馬超と戦った武将たちは、曹操から侯爵の位を賜りました。その後、趙昂は益州刺史に就任することとなります。

異なる名称

趙昂には「偉璋」及び「偉章」といった異名があります。皇甫謐の『列女伝』では王異が益州刺史の天水の趙偉璋の妻であると記述され、『魏略』では楊阜が若い頃、尹奉とともに趙昂偉章として名を上げたとされています。「璋」と「章」は同音であり、伝記の中で混同される可能性があります。これにより、趙昂が「趙偉璋」として表現されることもあります。

趙昂と趙顒

建安24年（219年）の漢中争奪戦では、劉備軍の黄忠が曹操軍の夏侯淵を破りました。その時、趙顒という別の趙姓の武将が登場しますが、彼と趙昂は身分的に同じで、地理的にも共通点があります。「顒」と「昂」は音的にも近く、同一人物である可能性が指摘されています。

演義での趙昂の姿

小説『三国志演義』では、馬超討伐の際に子の趙月が馬超の副将となっていたため、趙昂が戦うべきか思い悩む姿が描かれています。妻の王異によって「君主や父の仇を討つためならば、子の命も惜しみません」と鼓舞され、彼は馬超に立ち向かう決心を固めることになりました。

結論

趙昂の人生や業績は、後漢末期の激動の時代における武将の姿を如実に表しています。彼の忠義や戦略、そして家族への愛は、今日でも多くの人々に感動を与えることでしょう。

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