長野電鉄長野線

長野電鉄長野線：志賀高原への玄関口と、都市生活を支える路線

長野電鉄長野線は、長野県長野市の長野駅から、須坂市、中野市を経由し、下高井郡山ノ内町の湯田中駅までを結ぶ全長33.2kmの鉄道路線です。かつては長野駅～須坂駅間を長野線、須坂駅～信州中野駅間を河東線の一部、信州中野駅～湯田中駅間を山ノ内線と分けていましたが、2002年9月18日より現在の名称・運行形態となりました。

多様な役割を担う路線

長野線は、志賀高原などへの観光輸送の役割に加え、長野市近郊の通勤・通学輸送において重要な役割を担っています。特に長野駅～信州中野駅間では、朝夕には普通列車と特急列車が5～20分間隔で運行されるなど、高い輸送需要に応えています。

地下区間と近代化

長野駅～善光寺下駅間は地下区間となっており、開業当初は地上を走っていました。この区間にある市役所前駅（旧錦町駅）は、かつては三角屋根の駅舎で地域住民に親しまれていました。また、この区間を含む長野駅～朝陽駅間は複線構造です。地下区間は、火災時の被害軽減のための基準（A-A基準）をクリアしており、非貫通型車両の運行を可能にしています。

歴史と技術の融合

柳原駅～村山駅間には、千曲川に架かる村山橋があります。鉄道と道路が併用されるこの橋梁は、老朽化していた旧橋に代わり、2009年に完成しました。線路部分は長野電鉄初のロングレールが採用されています。また、長野駅～須坂駅、信州中野駅、湯田中駅には自動券売機が設置されている一方、中野松川駅～上条駅間では下車駅での精算となります。車庫は須坂駅に設置されています。信州中野駅～湯田中駅間は最大40‰の急勾配が続く、技術力の高さが伺える区間です。湯田中駅はかつては変則スイッチバック構造でしたが、2006年の改修工事で解消されました。

多様な運行形態と車両

長野線では普通列車と特急列車が運行されています。普通列車は各駅停車で、長野駅～信州中野駅間では2000年10月から、信州中野駅～湯田中駅間では2006年12月9日から一部列車でワンマン運転を実施。長野駅～信州中野駅間には3000系、8500系が、信州中野駅～湯田中駅間には抑速ブレーキ装備の3000系が使用されています。

特急列車は長野駅～湯田中駅間を直通する列車が基本ですが、区間運転する列車もあります。A特急、B特急、S特急の3種類があり、車両は1000系「ゆけむり」と2100系「スノーモンキー」が使用されています。「スノーモンキー」には個室「Spa猿〜ん」も設置されています。2021年7月からはA特急の一部車両が指定席となりました。

歴史と変遷

長野線の歴史は古く、1920年代から段階的に路線が開通しました。様々な経緯を経て、現在の路線網が形成され、2002年には河東線と山ノ内線が統合されて長野線となりました。途中、駅名の変更や廃止、路線の複線化や地下化、橋梁の架け替えなど、様々な変化を遂げています。1998年の長野オリンピックでは、多くの観客輸送を担いました。近年では、自動放送設備や電光掲示板の設置など、利用者へのサービス向上も図られています。

運行データ

軌間：1067mm
駅数：24駅
複線区間：長野駅～朝陽駅間
電化方式：直流1500V
最高速度：90km/h
最急勾配：40‰
閉塞方式：自動閉塞式
保安装置：ATS

輸送実績

近年、輸送人員はほぼ横ばいで推移しています。

今後の展望

2020年度には、ダイヤの異常発生時に信号や転轍機を遠隔操作できる電子運行システムの全線への拡大が予定されています。今後も、安全と利便性を高めながら、地域社会に貢献していくことが期待されています。

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