革新派

革新派

革新派（かくしんは）は、満州事変を背景に、大日本帝国における民族主義、国家主義、国粋主義が高まる中で登場した政治的潮流を指します。この潮流は、当時の社会政治に存在した様々な問題や矛盾を抱えた現体制の「革新」や「改造」、さらには「維新」を求める運動として捉えられています。特に軍部においては、革新派と呼ばれる軍閥が台頭し、文官官僚の領域でも革新官僚といった存在が目立ちました。また、ドイツのナチズムに傾倒した者たちの姿も見受けられました。

この革新派の一つの潮流が昭和維新と呼ばれるもので、三月事件、十月事件、五・一五事件、陸軍士官学校事件、二・二六事件など、数々の暗殺やクーデターを引き起こしました。国内では、後に国家総動員法や大政翼賛会、新体制運動などの基本となる時流が生まれました。また、民間における革新派の結集として、東亜建設国民聯盟が結成され、安達謙蔵や中野正剛、松井石根、橋本欣五郎、末次信正、徳富蘇峰、三宅雪嶺、清瀬一郎といった著名な人物が参加しました。

革新派の中には、代表的な左翼から転向した人物もいました。その一人が赤松克麿です。彼は1926年に結成された社会民衆党の書記長を務めた運動家でしたが、国家[[社会主義]]に転向し、1931年には右翼活動家と共に日本社会主義研究所を設立しました。彼は三月事件や十月事件にも加わり、1932年には日本国家社会党の結成に関与し、党務長の地位に就任しました。さらに、1937年には日本革新党の設立にも関わりました。

次に、平野力三は独自の農民運動に関与し、1926年に社会民衆党の結成にも関わった後、日本農民党の幹事長として活動しました。彼はその後、日本大衆党の書記長にも就任し、1928年には麻生久らと同じく日本労農党や農民との提携を目指した皇道会の常任幹事になりました。

麻生久は日本大衆党の委員長として活動し、社会大衆党の設立にも加わった政治家でした。彼は親軍派として知られ、特に軍部との関係を強化していきました。1940年には社会大衆党の委員長に就任し、新体制運動の推進にも寄与しました。

外交面では、革新派は日満支ブロックによる「東亜新秩序」の推進を図りつつ、独伊の「欧州新秩序」との連携を目指しました。このような動きは、当時の世界情勢において旧秩序を打破するための試みとして重要でした。

「革新派」は、後の統制派の母体となる存在であり、時代の流れと共に日本の政治・経済に大きな影響を与えていったのです。このように革新派の活動は、当時の日本の歴史において非常に重要な位置を占めています。

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