頭巾

頭巾（ずきん）

頭巾は、主に布で作られた被り物で、頭部や顔面を覆うためのアイテムです。一般に、袋状や折り畳まれた形で作られることが多いです。特に、衣服の一部として頭巾が取り込まれている場合、頭巾部分は英語で「フード（hood）」と呼ばれることがあります。

概要

頭巾は、主に風や雪、寒さ、土埃や砂埃から身を守り、人目を避けるために用いられます。日本においては、江戸時代から広がりを見せ、武士や僧侶、一般庶民まで、幅広く用いられました。文献『嬉遊笑覧』や『江戸職人尽歌合』によれば、頭巾の種類は30種類以上も存在し、それぞれの形や名前が個性的であることが分かります。これらの頭巾は、形状によって「丸形」「角形」「袖形」「風呂敷形」に大別されます。

形状の種類

丸形

このタイプは、円形の布を折りたたみ、袋状にしたものです。基本の丸頭巾から派生したものとして、幼児用の大黒頭巾や、後方や左右に錣（しころ）を取り付けた錣頭巾、さらには覆面布を前面に取り付けた覆面頭巾や気儘頭巾、猫頭巾などがあります。

角形

角形の頭巾は、四角形の袋状をしています。基本の角頭巾だけでなく、錣が付いた宗十郎頭巾なども含まれます。

袖形

細長い片袖形の頭巾がこのカテゴリに入ります。頭部から背中にかけて広く覆う苧漢頭巾が代表例で、織田信長が使用したことでも知られています。また、江戸時代には武士の正装として流行した、紐を結んで着用する山岡頭巾もこの派生に当たります。

風呂敷形

これは、四角形または長方形の布を使用し、頭部と顔面を包みます。これらは主に女性が着用し、御高祖頭巾（おこそずきん）やふろしきぼっちと呼ばれることが多いです。戦時中には、防空頭巾として厚めの綿が使われました。戦後も、防寒や防雪用として利用され、現在では三徳頭巾が秋田県に残っています。

日本以外の頭巾

日本以外でも、さまざまな地域で特有の頭巾が存在します。イヌイットの「アノラック」、中東やインドの「ターバン」、アラブやイスラム圏の「ヒジャブ」、西洋の「ウィンプル」、「モブキャップ」、「ボンネット」などがその例です。

現代の頭巾

今日、フード付きの衣服として一般に知られる「フーディー」が存在します。パーカーが代表的で、他にもジャンパーやダウンジャケット、M51やM65、レインコート、レインウェアなどにもフード付きのデザインが多く見られます。

関連項目

• - 帽子
• - 赤頭巾（グリム童話）
• - 八つ化け頭巾（民話）
• - 紫頭巾（時代劇）
• - 白頭巾参上（TV時代劇）
• - 鞍馬天狗（小説）

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