馬武

馬武の生涯と功績

馬武（ば ぶ、? - 61年）は、後漢時代に活躍した武将であり、光武帝の側近として多くの戦功を挙げました。彼の本名は子張（しちょう）で、南陽郡湖陽県（現在の河南省唐河県）出身です。馬武は、数々の戦闘での彼の活躍により、歴史に名を刻んでいます。

事跡

馬武の初期の軍事活動は王莽の末期に始まりました。彼は、竟陵と西陽での反乱に参加し、緑林軍に加わります。新しい統治者である更始帝の下では侍郎として仕官し、23年には劉秀と共に昆陽の戦いにおいて新軍に勝利を収め、振威将軍の地位に昇進しました。その後、尚書令謝躬に従い邯鄲を攻めましたが、劉秀によって高台に呼び出され、軍の指揮権を与えられます。

馬武は、「自分は臆病でのろまで、計略も持っていない」と言い返しますが、劉秀の信頼を得ることとなります。後には謝躬が誅され、彼はすぐに劉秀のもとに帰順しました。その帰順は評価され、劉秀の側近として重用されました。河北地方での反乱軍との戦闘では、突撃役として先頭に立って敵を撃退し、後退時には殿軍として敵を逆に攻撃しました。

建武元年（25年）には、光武帝が即位したことで馬武は侍中や騎都尉といった高位に就き、列侯にも任命されます。建武4年（28年）には蓋延と共に劉永を討伐し、その後更に済陰を攻撃し、成武・楚丘を落とすことで捕虜将軍に昇進します。建武6年（30年）の夏に公孫述を討つために軍を指揮するも、隗囂の反乱に直面し、劉秀と共に危機を脱します。これにより漢軍は無事に長安に戻ることができました。

その後も、馬武は様々な戦闘で指揮を執り、建武13年（37年）には匈奴への備えを行いますが、身の扱いを誤られ、洛陽で将軍の印綬を返還します。建武25年（49年）には蛮夷との戦闘で再び功を立て、明帝の時代にも西羌を撃破する活躍を見せました。最終的に永平4年（61年）に66歳で他界しました。

人柄と逸話

馬武は、宴席において光武帝から「乱世がなければ自分はどうなっていたか？」との問いに対し、「武勇があるので太守か都尉になっていたでしょう」と答え、光武帝を笑わせました。酒を好み、酔った際には他の将軍の短所も堂々と言うことで知られており、光武帝も彼の率直さを許容し、楽しんでいました。

また、意外にも謙虚な性格であり、任務を終えた後には何度も将軍の印綬を返納しており、その姿勢は多くの人々から信頼を寄せられました。

馬武は、その戦功だけでなく、その人柄からも多くの記録に残り、後世に語り継がれる存在となりました。

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