高知県立美術館

高知県立美術館：シャガールから現代アートまで、多彩なコレクションを誇る文化拠点

高知県立美術館は、高知県高知市に位置する、国内有数の美術コレクションを誇る美術館です。1993年11月3日の開館以来、地域文化の活性化に大きく貢献しています。

世界的なコレクションと充実した施設

本美術館の最大の特徴は、その充実したコレクションです。約4万点にも及ぶ作品群は、マルク・シャガールの作品群、そして高知ゆかりの世界的写真家である石元泰博の作品群がその中核をなしています。

シャガールコレクションは、油彩画5点に加え、版画1202点を収蔵。特に、800点を超える版画コレクションは、西和彦氏旧蔵のものを大川功氏が買い取り、美術館開館の際に寄贈されたもので、その規模と質において、世界的に見ても非常に重要なコレクションです。代表作として「空を駆けるロバ」「村の祭り」「路上の花束」「花嫁の花束」「オルジュヴァルの夜」といった油彩画や、数多くの版画作品が展示・保管されています。

一方、石元泰博コレクションは、写真プリント約35000点に加え、ポジ・ネガフィルム、蔵書、愛用品など34753点にも及びます。美術館内には石元泰博展示室が設けられ、これらの貴重なコレクションを展示する企画展が随時開催されています。「シカゴ」「東京」「桂離宮」「伊勢神宮」「シブヤ、シブヤ」など、彼の代表的な作品群を鑑賞することができます。

シャガールや石元泰博の作品以外にも、高知の郷土美術作品、ドイツ表現主義や新表現主義の作品など、多岐にわたるコレクションを有しています。アンゼルム・キーファー、ジャン＝ミシェル・バスキア、ゲルハルト・リヒター、ミケル・バルセロ、フェルナンド・ボテロ、パウル・クレー、マックス・ペヒシュタイン、ワシリー・カンディンスキー、ジョージ・グロス、ゲオルグ・バゼリッツといった巨匠たちの作品から、日本の近代・現代美術作品まで、幅広いジャンルの作品を鑑賞できます。具体的には、中山高陽、弘瀬金蔵、河田小龍、山本昇雲、岸田劉生、藤田嗣治、山脇信徳、土方久功、奥谷博、今西中通、石川寅治、正延正俊、白髪一雄、岡上淑子、柳幸典などの作品も所蔵されています。さらに、マックス・クリンガー、ギルバート＆ジョージ、ジュリアン・シュナーベル、アンディ・ウォーホル、フランク・ステラ、ウィリアム・バロウズ、キース・ヘリング、ヨーゼフ・ボイス、ナム・ジュン・パイク、吉原治良、中西夏之、菊畑茂久馬、大竹伸朗、戸谷成雄、宇佐美圭司、李禹煥、堀浩哉、舟越桂、篠原有司男、森村泰昌、横尾忠則、若林奮、高﨑元尚、合田佐和子、日和崎尊夫といった、現代美術の巨匠たちの作品も収蔵されています。

美術館の施設は、展示室の他に、講義室、創作室、石元泰博フォトセンター、アート情報コーナー、県民ギャラリーなどを備えています。また、399席の音楽ホールである高知県立美術館ホールも併設されており、コンサートや演劇などの公演も開催されています。能楽堂設備も完備しています。ミュージアムショップやレストランなども併設され、一日を通して芸術に触れ合える空間となっています。

美術館の建築

美術館の建物は、土佐漆喰の土蔵をモチーフとしたデザインが特徴的です。日本設計、環境建築設計事務所、山本長水建築設計事務所が設計・監理を行い、1993年3月に竣工しました。敷地面積20,000平方メートル、延床面積11,906平方メートルの地上3階、地下1階建ての建物です。

アクセス

高知県立美術館へのアクセスは、とさでん交通後免線 県立美術館通停留場から徒歩約5分です。

高知県立美術館は、コレクションの充実度、施設の充実度、アクセスなど、あらゆる面で高い水準を誇る美術館です。高知を訪れた際には、ぜひ足を運んで、その魅力に触れてみてください。

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