鶴橋駅

鶴橋駅：三線乗り入れの活気あるターミナル駅

大阪市生野区と天王寺区にまたがる鶴橋駅は、近畿日本鉄道（近鉄）、西日本旅客鉄道（JR西日本）、大阪市高速電気軌道（Osaka Metro）の3線が乗り入れる、交通の要衝として知られています。JR西日本の駅番号はJR-O04、近鉄はA04・D04、Osaka MetroはS19と、それぞれ異なる番号が割り当てられています。JR西日本の駅シンボルフラワーは紫陽花です。

交通の要衝と高い混雑率

近鉄とJRの接続駅である鶴橋駅は、多くの乗換客で賑わいを見せます。特に、JR大阪環状線の鶴橋駅と隣の玉造駅の間は、2005年度の時点で線内最高となる142％の混雑率を記録するなど、その混雑ぶりは深刻な問題となっています。

乗り入れ路線と改札口

近鉄大阪線（奈良線の列車も乗り入れ）、JR西日本大阪環状線、Osaka Metro千日前線が乗り入れ、相互に接続しています。JR西日本鶴橋駅は、アーバンネットワークエリアと大阪市内（特定都区市内制度）に属します。

大阪近郊では珍しい、一つの改札口で近鉄とJR間の乗り換えが可能です。しかし、異なる交通系ICカードを2枚重ねてタッチすることはできません。乗り換える際には、一度改札を出場し、改めて乗車券を購入する必要があります。

改札口には、各線の乗り越し精算機や券売機が設置されており、JRみどりの窓口（7:30～19:30）、近鉄の定期券・特急券購入窓口なども併設されています。ただし、乗り換え改札口にはエレベーターがないため、車椅子利用者は地上改札を利用する必要があります。

歴史：幾度もの改良と発展

鶴橋駅は1914年、大阪電気軌道線の開業と同時に開設されました。その後、1932年には鉄道省線の開業に備え駅舎が移設され、1956年には複々線化が完成。1970年には近鉄と国鉄（現JR西日本）の連絡設備が拡張され、1975年には線路配線が変更されました。

近鉄の改修工事は、昭和20年代から昭和40年代にかけて大規模に行われ、ホームの延伸や拡幅、跨線橋の増設などが行われました。特に、昭和40年代には1日の乗降客数が約35万人に達し、ラッシュ時の混雑緩和のため大規模な改良が実施されました。

JR西日本は1932年に鉄道省城東線の一部として開業、1961年には大阪環状線の一部となり、1987年には国鉄分割民営化によりJR西日本の駅となりました。自動改札機の導入や可動式ホーム柵の設置など、近年の改良も進められています。Osaka Metroは、1969年の千日前線開業と同時に設置されました。

近鉄鶴橋駅：大阪方面の拠点

近鉄鶴橋駅は、大阪方面の中核駅として、アーバンライナー、ひのとりなどすべての特急列車が停車します。JR線との乗り換え客が多く、大阪線・奈良線（難波線）の大阪方面主要駅で最も利用客が多い駅です。駅長配置駅であり、今里駅の管理も担っています。

特急券や定期券は自動券売機と窓口で購入可能で、ホームにも専用の窓口が設置されています。また、2000年代後半の運賃制度変更に伴い、大阪線布施駅以東と奈良線相互間を乗り継ぐ際に、布施駅を通過する列車を利用する場合は、鶴橋駅での乗り換えが重複乗車として認められる特例が設けられています。

駅構造とホーム

近鉄鶴橋駅は島式ホーム2面4線の高架駅で、有効長は10両分。改札口は東改札口と西改札口の2箇所あり、西口はJRの西口と位置が同じです。3階にはJR線との連絡改札口、ホーム中ほどには乗り換え専用通路があります。

奇数番線に大阪[[難波駅]]方面、偶数番線に大阪上本町駅方面の列車が発着します。大阪線特急の一部は大阪[[難波駅]]発着ですが、東方の渡り線で転線するため、奇数番線を使用します。

JR鶴橋駅：駅長配置の直営駅

JR鶴橋駅は駅長配置の直営駅であり、寺田町駅、桃谷駅、玉造駅、森ノ宮駅の4駅を管轄する管理駅です。相対式ホーム2面2線の高架駅で、停留所に分類されています。改札口は中央改札口、近鉄改札口、近鉄との連絡改札口（内回り・外回りホーム各1箇所）があります。

ホームにはコンビニエンスストアや飲食店などが入居しています。かつてはブックオフがあった場所に改札口がありましたが、閉店に伴い閉鎖されました。

Osaka Metro鶴橋駅：地下駅

Osaka Metro鶴橋駅は島式ホーム1面2線の地下駅です。改札口は東西2箇所あり、JRや近鉄への乗り換えは6番出入口が便利です。日本橋管区駅に所属し、同管区駅長が管轄しています。

利用状況

近鉄鶴橋駅の2023年11月7日の乗降人員は137,399人、JR西日本鶴橋駅の2023年度1日平均乗車人員は86,690人、Osaka Metro鶴橋駅の2023年11月7日の1日乗降人員は26,648人でした。

駅周辺：コリアタウンと市場

鶴橋駅周辺は、戦後から発展したコリアタウンが中心となっています。焼肉店や朝鮮料理店、食材店などが多く、独特の活気があります。駅南西側には「高麗市場」があり、朝鮮半島の民具や食品などを販売しています。駅東側には「鶴橋鮮魚卸売市場」があり、新鮮な魚介類が卸売・小売されています。

その他、千日前通沿いや周辺には様々な商店や公共施設、学校、病院などが立地しています。

駅名の由来

駅名は、開業当時の自治体名である東成郡鶴橋町に由来します。鶴橋という地名は、4世紀頃に架けられた橋に由来するといわれていますが、その橋があったとされる場所の最寄駅は、鶴橋駅ではなく隣の桃谷駅です。

バス路線

鶴橋駅前停留所には、大阪シティバスの路線が発着しています。

隣の駅

JR大阪環状線、近鉄大阪線、奈良線、Osaka Metro千日前線のそれぞれの隣の駅についても記載されています。

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