鹿部駅

概要

鹿部駅（しかべえき）は、北海道茅部郡鹿部町本別にある、北海道旅客鉄道（JR北海道）函館本線砂原支線の駅です。駅ナンバリングはN68が付与されており、電報略号はカヘ、事務管理コードは▲140153です。函館本線の通称である砂原支線上に位置しています。

歴史

当駅の歴史は、国有鉄道（国鉄）の駅として開業する以前、大沼電鉄（戦前）の終着駅として始まります。1929年（昭和4年）1月31日に大沼電鉄の新本別駅 - 鹿部駅間が延伸開業し、大沼公園駅からの路線が全通した際に、同線の鹿部駅として開業しました。

太平洋戦争末期の1945年（昭和20年）6月1日、国有鉄道函館本線（砂原線）の大沼駅 - 渡島砂原駅間が開通したのに伴い、国鉄の一般駅として開業しました。奇しくも同日、不要不急線に指定されていた大沼電鉄（戦前）が廃止となり、同線の鹿部駅は廃止されました。

戦後、1948年（昭和23年）1月16日には、新たに開業した大沼電鉄（戦後）の新銚子口駅 - 鹿部温泉駅間に、同線の鹿部温泉駅が開業します。

翌1949年（昭和24年）2月20日には、国鉄の鹿部駅が鷹待駅（たかまちえき）へと改称され、同時に大沼電鉄の鹿部温泉駅が鹿部駅へと改称されました。同年6月1日には、日本国有鉄道法の施行により、国鉄駅は日本国有鉄道に継承されます。

大沼電鉄（戦後）は1952年（昭和27年）12月25日に全線が廃止され、同線の鹿部駅も再び廃止されました。

国鉄の鷹待駅は、1956年（昭和31年）12月20日に再度、鹿部駅へと改称されています。

その後、駅の取扱業務は縮小され、1980年（昭和55年）5月1日には貨物取扱いが、1984年（昭和59年）2月1日には荷物取扱いがそれぞれ廃止されました。同年11月1日には無人化され、鹿部町に業務を委託する簡易委託駅となりました。

国鉄分割民営化に伴い、1987年（昭和62年）4月1日からは北海道旅客鉄道（JR北海道）の駅として運営されています。2005年（平成17年）4月1日には簡易委託業務が廃止され、完全な無人駅となりました。2007年（平成19年）10月1日からは、駅ナンバリングが導入されています。

駅名の由来

現在の駅名である「鹿部」は、所在する地名に由来します。この地名は、アイヌ語で「アホウドリ」を意味する「シカペ」に由来するとされており、かつてこの地域にアホウドリが多く生息していたことにちなんで名付けられたとされています。

かつて使用されていた旧駅名「鷹待」は、この地周辺に鷹狩りの際に鷹匠が鷹を待つ場所があったことに由来すると言われています。

駅構造

当駅は、島式ホーム1面2線を有する地上駅であり、列車交換が可能な構造となっています。駅舎側（東側）の線路が上り列車用、外側の線路が下り列車用として使用されていますが、番線表示はありません。また、上下線とも安全側線が設けられています。

1983年（昭和58年）4月時点では、駅舎と上り線の間に1線の側線（副本線）が存在していました。転轍機は上り線からの片開き分岐でした。

駅舎は構内の東側に位置しており、歴史を感じさせる木造建築です。現在は七飯駅が管理する無人駅で、夜間の連絡先は森駅となっています。有人駅として機能していた頃の比較的大きな駅舎が現在も利用されています。

駅舎とホームの間は構内踏切で連絡しています。待合室には、利用者が心地よく過ごせるように、椅子のカバーなど様々な手作り品が置かれており、図書コーナーも設けられています。駅舎内にはトイレが設置されており、駅スタンプも配備されています。

駅の標高は90.5メートルです。

利用状況

当駅の乗車人員の推移については、記録に基づいた値が公表されています。年間の値のみが判明している年度については、日数を割って算出した参考値が付記されています。「乗降人員」として示されているデータは、乗車人員の概算値として1/2の値が使用され、元の値が備考欄に記されています。また、「JR調査」のデータは、当該年度を最終年とする過去5年間の特定の調査日における平均値が使用されています。

駅周辺

当駅の駅前周辺には、別荘が多く立地しています。鹿部町の中心部、役場などがある地域からは約5キロメートル離れており、中心部への移動にはバスなどの交通手段を利用する必要があります。

周辺の主な道路としては、北海道道480号鹿部停車場線や国道278号が通っています。

駅前には函館バスの「鹿部駅前」停留所がありますが、鹿部出張所行きのバスは朝・夕にそれぞれ数本のみの運行に限られています。

また、近隣には陸上自衛隊駒ヶ岳演習場があります。

隣の駅

北海道旅客鉄道（JR北海道）
■函館本線（砂原支線）
大沼駅 (H68) - 鹿部駅 (N68) - 渡島沼尻駅 (N67)
※過去には、大沼駅と鹿部駅の間に池田園駅 (N71)、流山温泉駅 (N70)、および銚子口信号場、新本別信号場（1949年8月1日廃止）が存在しました。

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