F

ラテン文字F：その字形、歴史、多様な意味と用途

ラテンアルファベットにおける6番目の文字、F。その大文字と小文字は、それぞれ独特の字形を持ち、数多くの言語や専門分野において、多様な意味や役割を担っています。本稿では、Fの歴史、字形、音素、そして様々な分野における記号としての使用例を詳細に解説します。

字形

Fの大文字は、垂直の縦線の上端と中央から、右に向かって短い線が突き出した形をしています。筆記体やフラクトゥール体では、この上線が縦線の左にも大きくはみ出す場合があります。一方、小文字は、大文字の中線より上部を丸めた形状で、中線は縦線の左にはみ出しています。小文字でありながら大文字と同じ高さを持つという特徴があります。フラクトゥール体やイタリック体では、ベースラインの下にはみ出し、左に曲げられて「ƒ」のように表記されることもあります。

呼称

多くのヨーロッパ言語（ラテン語、ドイツ語、フランス語、英語、オランダ語、ハンガリー語、ポルトガル語、ノルウェー語、日本語）では「エフ」と呼ばれます。スペイン語では「エフェ」、イタリア語では「エッフェ」、ウェールズ語では「エヴ」、スウェーデン語では「フォー」と呼び名が異なります。

音素

国際音声記号では、小文字の「f」は無声唇歯摩擦音を表します。一方、Jの棒付き小型大文字「ɟ」は有声硬口蓋破裂音ですが、これは180度回転させた小文字の「f」と見なすこともできます。

日本語の「ファ」「フィ」「フ」「フェ」「フォ」の子音は、外来語の/f/の音写に使われ、ローマ字表記でも「f」を用いますが、実際の発音は[f]ではなく、無声両唇摩擦音[ɸ]です。インドネシア語や朝鮮語では、しばしば[p]で発音される、または朝鮮語では[h]音で代替される場合もあります。フランス語では、ごく一部の単語で語尾の「f」が黙字化される場合があります。ウェールズ語では[v]を表し、二重に書くことで[f]と発音されます。英語では、母音間ではしばしば「ff」と2つ重ねて表記されます。

歴史

Fの起源は、古代ギリシャ語で使われたϜ（ディガンマ）に遡ります。この文字は元々/w/音を表していましたが、イオニア・アッティカ方言では/w/音が消滅したため、使用されなくなりました。エトルリア語では、当時ギリシャ語には存在しなかった/f/の音を表すために「FH」の2文字を用いましたが、ローマではこれを簡略化して「F」1文字で表すようになりました。

合字

「f」は、その後に「f」、「l」、「i」などが続く場合、しばしば合字（リガチャ）を形成します。「ff」、「fi」、「fl」、「ffi」、「ffl」といった合字は、多くの欧文フォントで独立した文字として用意されています。

F の意味：多様な分野での使用例

Fは、様々な分野で多様な意味を持ち、記号として用いられています。以下に、その主な例を示します。

学術的な記号・単位

フッ素の元素記号
十五を表す数字（二[[十進法]]や十六進法など）
華氏（ファーレンハイト）
静電容量の単位、ファラド (F)
SI接頭語、フェムト (f)
数学における関数、写像
数学における体 (field)
フーリエ変換
自然科学における力 (force)、振動数・周波数 (frequency)、ヘルムホルツ自由エネルギー
レンズの明るさ（F値）
竜巻の強さ（フジタスケール）
音楽記号のフォルテ (f)
音名 (F)
Fパラメータ
遺伝学における雑種 (Filial)

その他の記号

階数 (Floor)
女性 (female)
鉛筆の芯の硬さ
フリーサイズ (Free size)
鉄道の路線記号
企業の略称 (Fuji Electric, Fujitsu)
ケーブルの種類 (VV-Fケーブル)
ニコンFマウント
落第 (Fail)
Fラン大学
ダミーF
競艇におけるフライング
スポーツにおける前衛 (Forward)
北海道日本ハムファイターズ
ファクシミリ専用電話
照明器具の床付け
F型接栓
f字孔
ページ番号の表記
日本銀行券F号券
自動車の燃料計（満タン）
自動車の規格 (Formula)
自動車メーカーのフェラーリ
航空機の戦闘機 (Fighter)
旅客機の座席クラス (First Class)
貨物機 (Freighter)
列車の機関車形式
電車の編成
路線記号
* 商品名・作品名 (例: ニコンF、漫画作品「F」、アルバム「F」など)

符号位置

（該当するUnicodeの符号位置情報などを記述）

他の表現法

（Fの異なる表記法などがあれば記述）

脚注

（参考文献や注記などがあれば記述）

もう一度検索