きりしま号

概要

「きりしま号」は、熊本県の熊本桜町バスターミナルと鹿児島県の鹿児島本港（高速船ターミナル）を結ぶ高速バス路線です。熊本市街地から九州自動車道を経由し、鹿児島中央駅を経由して鹿児島本港へと至ります。2004年から2008年まで運行を中断していましたが、ルートはほぼ変わらず、途中には熊本県内の八代市・人吉市の高速道路上のバス停や、鹿児島空港にも停車します。

高速道路開通前は、九州産業交通（現：九州産交バス）と南国交通が共同で快速「さつま号」を運行していました。熊本から鹿児島へは、複数のバスを乗り継ぐことで約6時間かけて移動していました。1990年4月に「きりしま号」が開設されたことで、両都市間は最速3時間弱で結ばれるようになりました。

当初は九州産交と南九州高速バスの共同運行でしたが、鹿児島側では「はいびすかす号」という独自の愛称が用いられていました。2004年3月に九州新幹線の一部開通により一旦廃止されましたが、利用客からの要望を受け、2008年10月に試験運行として九州産交バスが単独で運行を再開。その後、南国交通といわさきバスネットワーク（現：鹿児島交通）が加わり、現在は両社と九州産交バスによる共同運行となっています。

全便座席指定制で、乗車には事前の予約が必要です。SUNQパスは全九州+下関版と南部九州版のみが利用できます。

歴史

1990年4月26日：路線開業。10往復運行開始。
1993年10月頃：鹿児島空港経由となる（当初は各停便のみ）。
1995年1月：人吉ターミナル閉鎖に伴い、人吉産交が停車地となる。
1995年7月：九州自動車道人吉～えびの間開通。ノンストップ便が人吉産交と鹿児島空港に停車。
1999年12月：益城IC経由に変更。
2004年3月12日：九州新幹線開業に伴い路線廃止。
2008年9月12日：九州産交バスが運行再開を発表。
2008年10月10日：九州産交バス単独で試験運行を再開。1日3往復。
2009年4月1日：いわさきバスネットワーク・南国交通が運行に加わり、3社共同運行となる。愛称も「きりしま号」に統一。ノンストップ便を設定。
2011年4月1日：ダイヤ改正。各停便を廃止し、全便ノンストップ便となる。
2012年4月23日：増便し、1日8往復16便となる。
2015年10月1日：熊本交通センターの乗降場所を変更。
2015年12月1日：九州産交便のみ熊本側の始発着場所を西部車庫まで延伸。
2016年3月30日：いわさきバスネットワーク運用分が鹿児島交通に変更。
2016年4月24日：熊本地震の影響で運休していた運行を4往復のみ再開。5月1日より通常の本数・運行経路に戻る。
2017年5月22日：高速益城バス停での乗降扱いを再開。
2019年4月1日：熊本駅前再開発工事に伴い、鹿児島行きの乗り場をのりば1へ変更（九州産交便のみ）。
2019年9月11日：熊本桜町バスターミナル開業に伴い、乗降場所を変更。
2020年4月1日：新型コロナウイルス感染拡大の影響で一部運休。後に全便運休、その後一部便のみ運行再開を経て、1日4往復に減便。
2021年1月20日：新型コロナウイルス感染拡大により1日3往復に減便。
2021年3月20日：3往復増便し、1日6往復となる。
2021年4月1日：熊本駅前広場整備に伴い、鹿児島行きの乗り場をのりば7へ変更（九州産交便のみ）。

現在の運行

運行会社
九州産交バス
鹿児島交通
南国交通

運行経路・停車停留所

西部車庫 - 熊本駅前 - 熊本桜町バスターミナル - 通町筋 - 味噌天神 - 水前寺公園前 - 熊本県庁前 - 自衛隊前 - 東町中央 - 益城インター口 - 益城IC - 高速益城 - 八代IC - 人吉IC - 鹿児島空港 - 帖佐 - 鹿児島北IC - 下伊敷 - 鹿児島中央駅 - 天文館 - 鹿児島本港


全便西部車庫 - 高速益城間、鹿児島空港 - 鹿児島本港間の利用は不可。
西部車庫始発着、熊本駅前経由は九州産交便のみ。
鹿児島空港へは、溝辺鹿児島空港ICから国道504号を経由して立ち寄る。
山江SAで10分休憩。熊本桜町バスターミナル6:30発の便のみ、えびのPAで10分休憩。
2011年3月31日までは、高速道路上の全ての停留所に停車する各停便も運行していた。

所要時間
熊本桜町バスターミナル - 鹿児島本港高速船ターミナル：3時間25分（鹿児島行き）、3時間28分（熊本行き）
熊本桜町バスターミナル - 鹿児島空港：2時間30分（鹿児島行き）、2時間33分（熊本行き）

使用車両ならびに車内設備
ハイデッカー
4列シート
トイレ（九州産交のみ）
毛布（九州産交・南国交通）※現在は貸出中止
座席コンセント（一部車両のみ）
フリーWi-Fi（九州産交・南国交通）

使用車両
九州産交バス：三菱ふそう・エアロエースなど
鹿児島交通：ヒュンダイ・ユニバースなど
南国交通：三菱ふそう・エアロバス、日野・セレガRなど

特記事項

午前中に熊本を出発する4本と午後に鹿児島を出発する4本は九州産交便、午前中に鹿児島を出発する4本と午後に熊本を出発する4本は月ごとに運行会社が異なります。
八代ICでの乗降は乗務員に確認が必要です。
九州産交便はトイレ付き車両で運行されています。

過去の運行 (1990年4月 - 2004年3月)

運行会社
九州産業交通
南九州高速バス

運行経路・停車停留所

運行開始時と運休直前で運行経路・停車箇所が一部異なります。

各停便：熊本交通センター - 通町筋 - 味噌天神 - 水前寺公園前 - 熊本県庁前 - 帯山中学校前 - 西原 - 松の本 - 熊本IC - 益城 - 御船IC - 城南 - 松橋IC - 小川 - 宮原 - 八代IC - 坂本 - 鮎帰 - 小鶴 - 山江 - 人吉IC - 人吉ターミナル - えびのIC - 吉松 - 鹿児島空港南 - 帖佐 - 鹿児島IC - 西鹿児島駅前 - 天文館 - いづろ高速バスセンター

ノンストップ便：熊本交通センター - 通町筋 - 味噌天神 - 水前寺公園前 - 熊本県庁前 - 帯山中学校前 - 西原 - 松の本 - 熊本IC - 人吉仮IC - えびのIC - 鹿児島IC - 西鹿児島駅前 - 天文館 - いづろ高速バスセンター


通町筋は熊本行きのみ降車。
人吉市内では人吉ターミナルに停車し、国道221号を迂回していた。

所要時間
熊本交通センター - いづろバスセンター
ノンストップ：3時間10分
特急：3時間19分

使用車両ならびに車内設備
ハイデッカー
3列シート（横2+1列）
テレビ・ビデオ・ラジオ
トイレ
おしぼり・飲み物（コーヒー・お茶）＜車内セルフサービス＞
車内公衆電話やマルチステレオ（音楽サービス）も装備されていた時代もあった。

脚注・出典

注釈
出典

外部リンク

九州産交バス きりしま号案内
南国交通公式サイト
SUNQパス
* 九州高速バス情報『Qバスサーチ』

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