コドモノクニ

コドモノクニ

『コドモノクニ』は、1922年1月1日から1944年3月1日にかけて東京社（現ハースト婦人画報社）から出版されていた児童雑誌です。大正時代を代表する絵雑誌であり、子供のために描かれる童画という絵画ジャンルの確立に大きく貢献しました。

概要

従来、子供向けの本における画家は、文章に添える挿絵を描く役割を担っており、作家ほど重視されることはありませんでした。しかし、1914年の『子供之友』（婦人之友社）創刊以降、絵雑誌がその活動の場として注目を集めるようになり、『赤い鳥』、『金の船』、『童話』など、様々な童話雑誌が次々と創刊されました。その流れの中で、1922年1月に創刊されたのが『コドモノクニ』です。

『少女画報』の編集者であった和田古江が編集主任を、教育学者の倉橋惣三が編集顧問を務めました。当時、既に発行されていた各雑誌で専属的に活動していた画家たちを集め、それぞれの個性が光る童画を掲載することで、芸術的な絵雑誌として高い評価を得ました。1922年当時の発行部数は約2万部でした。

大判で多色刷りという豪華な仕様に加え、創刊期の大正モダニズムを背景とした芸術性、デザイン性を重視した誌面作りは、子供向けという枠を超え、新たな芸術総合雑誌とも呼べるものでした。内容は、童話や音楽を中心に構成され、親向けの教育的なページも設けられていました。

第二次世界大戦中の用紙難により、1944年に23巻3号をもって惜しまれつつ休刊となりましたが、通算287冊が発行され、多くの作家や画家がその誌面を飾りました。

執筆者

作家・詩人

巖谷小波
水谷まさる
楠山正雄
北原白秋（童謡顧問）
野口雨情（童謡顧問）

挿絵画家

武井武雄
清水良雄
本田庄太郎
川上四郎
初山滋
竹久夢二
細木原青起
岡本帰一（絵画主任）
黒崎義介
古賀春江
東山魁夷
深沢省三
伊藤孝之

音楽家

中山晋平（音楽顧問）

脚注

関連資料

関連項目

古河文学館（関連資料を展示）
黒柳徹子のコドモノクニ
国際子ども図書館

外部リンク

国立国会図書館国際子ども図書館 絵本ギャラリー
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