アパラチアン (揚陸指揮艦)

USSアパラチアン(AGC-1)とは

USSアパラチアン（USS Appalachian, AGC-1）は、アメリカ海軍が運用したアパラチアン級揚陸指揮艦の1番艦です。 揚陸作戦において、指揮・統制の中枢として重要な役割を担いました。

艦歴

1942年11月4日にニュージャージー州カーニーのフェデラル・シップビルディング・アンド・ドライドック社で起工。

1943年1月29日にジョン・フランク・マクルニス夫人によって命名、進水。

同年2月27日に海軍に引き渡され、ニューヨーク州ブルックリンのトッド・パシフィック造船所で揚陸指揮艦へ改装。

1943年10月2日にジェームズ・M・ファーナンド大佐の指揮下で就役。

太平洋戦争

チェサピーク湾での慣熟訓練後、パナマ運河を経由して11月26日にカリフォルニア州サンディエゴに到着。第4海兵師団の一部を乗せて、1944年1月13日にハワイへ向け出航。

真珠湾に短期間滞在後、クェゼリン環礁攻略作戦に参加。

ロイ＝ナムル島攻略を担当した北方攻撃部隊に所属し、1月31日の攻撃開始後、翌日には第4海兵師団司令部大隊の兵員と装備を揚陸。

同島の確保後、リチャード・L・コノリー海軍少将が将旗を戦艦メリーランドへ移し、アパラチアンはエリス諸島へ向けて出航。フナフティで1週間の休暇を過ごした後、ソロモン諸島で活動し、3月29日にハワイへ向け出発。4月8日に真珠湾に到着し、補給を受ける。

4月下旬にガダルカナルへ移動し、6週間をかけてマリアナ諸島侵攻の準備を実施。6月上旬、最後の作戦集結地であるクェゼリンへ移動。

6月10日、第3海兵水陸両用部隊の海兵隊員を乗せた船団に合流し、部隊司令官のロイ・ガイガー海兵隊大将が本艦に乗艦。船団が目標のグアムまで50マイルに迫った際、マリアナ諸島へ進撃する日本艦隊との接触を避けるため、反転命令が下される。

アメリカ第5艦隊がマリアナ沖海戦で日本艦隊を撃破し、上陸部隊がサイパン島で戦闘を行っている間、船団は待機行動を実施。グアム攻撃は延期となり、船団は6月28日にエニウェトク環礁へ再補給のため入港。7月11日に再びグアムへ向け出航し、14日に到着。上陸前の艦砲射撃と、上陸中の火力支援を実施。7月30日にアプラ港に停泊し、グアム制圧まで港内にとどまる。8月10日に真珠湾へ向け出航。

8月21日から9月2日にかけて、ヤップ島侵攻に備えマウイ島沖で演習を実施するも、作戦は中止。9月15日にハワイを出発し、アドミラルティ諸島マヌス島へ移動し追加演習を実施。10月3日にゼーアドラー湾に停泊し、第7艦隊に編入。10月14日にレイテ島へ向け出撃。第7歩兵師団司令官A・V・アーノルド少将が乗艦。

10月20日に上陸作戦が開始され、兵員を揚陸後、食糧と真水の補給のため23日までレイテ島沖に留まり、28日にフンボルト湾に到着。

11月20日にニューカレドニアのヌーメアへ向け出発し、乗組員は休暇を過ごす。12月17日にソロモン諸島へ移動、ガダルカナルで実施された短期リハーサルに参加後、クリスマスに再びマヌス島へ移動。

1945年1月11日にリンガエン湾に到着し、兵員を揚陸。翌日出航後、南シナ海で日本軍機による攻撃を受けるも回避し、15日にレイテ湾へ帰還。

1月18日にレイテ湾を出発し、ウルシー環礁、真珠湾を経由して2月13日にサンフランシスコへ入港。メア・アイランド海軍造船所にてオーバーホールを実施。4月10日に再びハワイへ向かい、16日に真珠湾へ到着。マウイ沖で演習を実施。

5月16日にマリアナ諸島へ向け出発し、サイパンに到着。7月9日まで滞在後、フィリピンへ向け出発。13日にマニラへ入港し、終戦までフィリピン周辺で作戦に従事。

大戦中の戦功により4つの従軍星章を受章。

戦後

1945年9月18日、日本へ向け出発し、25日に青森市に到着。占領任務に当たる兵員を輸送。大湊、函館、小樽、横浜、横須賀、松山、広島といった都市の占領にも参加。

11月12日に日本を離れアメリカ西海岸へ向かい、4月12日までサンフランシスコに停泊。クロスロード作戦に参加。

5月から7月まで報道陣の本部として機能し、8月16日にサンフランシスコへ帰還。

9月16日に第5艦隊旗艦となり、10月28日から翌年1月30日まで太平洋艦隊の旗艦を務める。同年5月21日に予備役となり、1960年にスクラップとして処分。1959年3月1日に海軍リストから削除。

受勲

アメリカ従軍記章
アジア・太平洋従軍章
第二次世界大戦戦勝章
海軍占領従軍章
* フィリピン解放章

外部リンク

https://www.navsource.org/archives/10/01/0101.htm

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