アブドゥルアリー・マザーリー

アブドゥルアリー・マザーリーの生涯

アブドゥルアリー・マザーリーは、1946年にアフガニスタンのバルフ州チャルキン郡ナンヴォル村で生まれました。ハザーラ人として、彼はアフガニスタンの政治的混乱の中で重要な役割を果たしました。彼は村の小学校とマドラサで基礎教育を受け、その後、軍隊に召集されました。

軍隊では、シーア派のハザーラ人に対する差別を経験し、遠隔地への配属を強いられました。除隊後、マザーリシャリーフのシャイ・スルタン・マドラサで勉学に励み、通常10年かかるコースを5年で修了しました。1977年には、父の勧めでメッカ巡礼を試みましたが、ビザ発給を拒否され、イラン経由で帰国する途中で、ホメイニ師の支持者と疑われ、イランの秘密警察SAVAKに逮捕され、4ヶ月間の投獄と拷問を受けました。

帰国後、彼は政治分析雑誌「ワフダート」（統一）を発行し、これが後に「ナスル」党の出版機関となりました。1980年には、ハザーラ人組織「ルハニアート・ナヴィン」や「ヘズベ＝イ＝フサイニ」と共に、政府に対する武装闘争を開始し、その勢力は9千人に達しました。テヘランでは、9党からなる「シーア派連合」が活動を開始し、1990年6月16日には、イランの圧力により諸勢力を統合したアフガニスタン・イスラム統一党（Hezb-e Wahdat）が結成され、マザーリーがその指導者となりました。

マザーリーは主にバーミヤーンを拠点に活動し、バグラーム、ヤゴヴラング、ベフスード、ガズニーなどでも勢力を拡大しました。政府は彼の逮捕に全力を挙げたため、彼はヘラート近郊のイスラーム・カラ村に一時的に身を隠しました。共産政権崩壊後、カーブルに戻り、アブドゥルラシード・ドーストムやアフマド・シャー・マスードと会談しましたが、合意には至りませんでした。その後、アブドゥルラッブ・ラスール・サイヤーフの「イッティハード＝イ・イスラミ」の部隊や、マスードの部隊とも交戦しました。同時期に勢力を増していたターリバーンとも敵対関係にありました。

1995年3月12日、マザーリーは8人の側近と共にターリバーンの捕虜となりました。ターリバーンは彼らをヘリでマザーリシャリーフに移送しようとしましたが、抵抗に遭い、射殺されたとされています。その後、彼らの遺体はガズニー郊外で発見されました。マザーリーの遺骸は、マザーリシャリーフに埋葬され、今日でも彼の業績は多くの人々に記憶されています。彼はハザーラ人の権利擁護のために生涯を捧げ、その名はアフガニスタンの歴史に深く刻まれています。

マザーリーの生涯は、アフガニスタンの政治的混乱と民族対立を象徴するものであり、彼の活動は、その後のアフガニスタンの歴史に大きな影響を与えました。

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