バルフ州

バルフ州について

バルフ州（バルフしゅう、ペルシア語: بلخ‎）は、アフガニスタンの北部に位置する州で、面積は約1万6186平方キロメートル。人口は約124万人で、34州中4位の規模を誇ります。州都はマザーリシャリーフで、アフガニスタンの中でも有数の都市とされています。

地理

バルフ州は日本の岩手県よりも広く、北側は平地、南側は高地になっています。乾燥した荒地が広がる中、バルフ川が南北を流れ、その周辺にはオアシスが形成され、緑が広がっています。州都マザーリシャリーフには、アリー・イブン・アビー・ターリブを祀るブルーモスクがあり、多くの参拝客が訪れています。

州の北はトルクメニスタン、ウズベキスタン、タジキスタンに接し、西にはジョウズジャーン州、南にはサーレポル州とサマンガーン州、東にはクンドゥーズ州があります。特にバルフ州の北端にはアムダリヤ川が流れ、豊かな緑地が形成されています。

標高500メートル以下の平地から、標高1000メートルから2000メートルの山脈まで、多様な地形が見られます。デダーディー郡には標高500メートルのショールガラという街があり、また切立った屏風のようなヒンドゥークシュ山脈も南に位置します。

歴史

バルフ州の歴史は古代に遡り、古都バルフはメソポタミア文明とインダス文明を結ぶ交易路として栄えました。約3000年前に成立したバクリ（後のバクトラ）は、ゾロアスター教の開祖ザラスシュトラが埋葬された地として知られています。紀元前6世紀にはキュロス大王に、同4世紀にはアレクサンドロス大王に征服され、グレコ・バクトリア王国の枢軸となりました。

中世に入り、バクトラはイスラムの侵攻によりバルフと改名されましたが、モンゴル帝国やティムールの侵攻で多くの破壊を受けました。この際、現在のマザーリシャリーフに移転が行われ、新たな発展を遂げました。

アフガニスタン独立後、バルフ州の政治は幾度となく変わり、冷戦時代にはソビエト連邦からの支援を背景に発展を続けましたが、1978年以降は内戦が相次いで発生しました。この tumultuousな時期は、主にドスタムやアブドラのような地方実力者たちの争いが影響し、多数の市民が被害を受けました。

2001年以降のアメリカ合衆国の介入は、再び新たな権力構造をもたらし、バルフ州も影響を受けた地域となっています。

経済

バルフ州はアフガニスタン屈指の小麦と大麦の産地であり、ザクロや綿花等も生産されています。農業収入は住民の収入の42％を占め、灌漑が施された農地では穀物や野菜が栽培されています。特に小麦や大麦の生産は特に盛んです。

また、バルフ州は工業面でも発展しており、羊毛を用いた伝統的な工芸品や火力発電所、さらには輸入品と競合する製品も生産されています。さらに、バルフ州はウズベキスタンとの貿易ルートとしても重要な役割を果たしています。

社会

バルフ州の人口構成はタジク人、パシュトゥーン人、ウズベク人、ハザーラ人など多岐にわたります。識字率は27％で、言語はダリー語やパシュトゥー語が主に使われています。教育機関も存在し、小学校から高等教育機関まで地域の人々の学び舎となっています。

治安については、バルフ州は根治すべき課題を背負っていますが、国際社会からの支援を受けながら治安の維持に努めています。

バルフ州は、アフガニスタンにおける地理的、歴史的、経済的に重要な地域であり、その特性が多様な文化と人々を織りなしています。

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